偏愛 (ページ4)

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一通り挨拶を終えた樹が私たちの元に戻ってくる。

田中「ねえ！このクラスに転校生来るらしい！」

『まじか』

松村「さすが樹。情報入ってくるの早いね」

田中「かわいい女の子だといいな♡」

『ドン引き〜』

松村「まじでないわ〜」

田中「お前ら今日当たり強くない？」

そう言っていじける樹を無視して考える。

転校生、どんな子が来るんだろ？
話しやすい子だといいな。

松村「Aも気になる？」

『主語がないね』

松村「話の流れ的にわかるでしょ？(笑)転校生のこと」

『そりゃ気になるよね。樹みたいに下心とかじゃなく、仲良くできたらいいな〜と思ってるよ』

松村「俺たちから離れていかないでね」

そんな風に言わなくてもさ、私にはふたりが一番大事なのに。

『重いわ！(笑)心配しなくてもイツメンは北斗と樹だから安心して(笑)』

…ほんとはね、私の方が重い女だと思うんだ。

北斗と樹が他の友達と仲良くしてるの見ると、
私の方がふたりのことを知ってるのに
って独占欲が湧いちゃうの。

彼女でもないのにね(笑)

ふたりがいなくなったら、私ひとりぼっちになっちゃうよ。

だからお願い。これからも私のそばにいて。

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