偏愛 (ページ3)

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クラスに入ると、たちまちクラスメイトに囲まれる樹。
人気者な彼をちょっと離れたところから見つめる私と北斗。

『悔しいけど、樹ってリアルで友達100人居そうなんだよな〜』

松村「同感。陰キャな俺たちとは住む世界が違うよな」

『ああ、私も陰キャ認定されてるのね…』

松村「だってあなた、入学式終わって早々文庫本取り出して読んでたじゃん」

『あったね〜(笑)普通に黒歴史』

松村「俺もAが呼んでた本の作者さん好きでさ、樹が『これ北斗も好きな作者の本じゃん！』て話しかけたんだよね」

『そうそう。樹のあの一言がなければ私たち友達になってないかもしれないよ』

松村「んー、それはないかな。いずれ俺たちは友達になる運命だったんだと思うよ」

すました顔してすごいこと言ってるよ。
サラッとこういうこと言えちゃうんだから、ホントに北斗は罪な男だと思う。

こう言うこと誰にでも言うのかな。
私だけだったらいいな、なんで思うのは欲張りかな。

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