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you side





4月初めだというのに通学路の桜はピークを過ぎ、 花びらが散り始めていた。



代わり映えのない日々。
私は今日、高校2年生に進級した。


昇降口に掲示されたクラス分けの紙を見て一喜一憂する生徒たち。
私もその人混みをかき分けて自分のクラスを確認しようとした。





「おはよ。お前3組だったよ。ちな、俺と北斗も同じ」



『…あんたね、そのネタバレまじでいらないから』



「この人混みのなか確認しに行くの大変っしょ?善意よ善意」



『ほんっとありがた迷惑』





ヘラヘラしながら「サーセン」と謝るコイツは田中樹。
1年生のときも同じクラス。
このフレンドリーな性格で私のテリトリーに侵入してきて、
まんまと仲良くなってしまった。





「おはよう。ふたりとも朝から痴話喧嘩はやめなよ」



『痴話喧嘩じゃない!誰がこんな女たらしネタバレ野郎と付き合うのよ!』



田中「残念ながら俺はモテるんだよな〜イケメンってほんと罪」



『しばいてやりたいね』



「今年も同じクラスでこのやり取り見れると思うと嬉しいよ。楽しい1年になりそう」



『ちょっと北斗まで変なこと言わないでよ〜』



「ごめんごめん(笑)A、今年もよろしくね?」





優しい笑顔で私の顔を覗き込む彼は松村北斗。
彼とも1年生から同じクラスで、樹とは小学校からの幼なじみらしい。


__そして、私の好きな人。





『北斗と同じクラス、嬉しいなあ』



田中「おいお前ら!俺を忘れてないか!」



松村「『ごめん忘れてた』」



田中「泣いていい?」





こんな風に冗談を言い合える関係性が、私は大好きだ。




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作者名:みさん | 作成日時:2024年2月29日 22時

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