・ ページ2
.
you side
4月初めだというのに通学路の桜はピークを過ぎ、 花びらが散り始めていた。
代わり映えのない日々。
私は今日、高校2年生に進級した。
昇降口に掲示されたクラス分けの紙を見て一喜一憂する生徒たち。
私もその人混みをかき分けて自分のクラスを確認しようとした。
「おはよ。お前3組だったよ。ちな、俺と北斗も同じ」
『…あんたね、そのネタバレまじでいらないから』
「この人混みのなか確認しに行くの大変っしょ?善意よ善意」
『ほんっとありがた迷惑』
ヘラヘラしながら「サーセン」と謝るコイツは田中樹。
1年生のときも同じクラス。
このフレンドリーな性格で私のテリトリーに侵入してきて、
まんまと仲良くなってしまった。
「おはよう。ふたりとも朝から痴話喧嘩はやめなよ」
『痴話喧嘩じゃない!誰がこんな女たらしネタバレ野郎と付き合うのよ!』
田中「残念ながら俺はモテるんだよな〜イケメンってほんと罪」
『しばいてやりたいね』
「今年も同じクラスでこのやり取り見れると思うと嬉しいよ。楽しい1年になりそう」
『ちょっと北斗まで変なこと言わないでよ〜』
「ごめんごめん(笑)A、今年もよろしくね?」
優しい笑顔で私の顔を覗き込む彼は松村北斗。
彼とも1年生から同じクラスで、樹とは小学校からの幼なじみらしい。
__そして、私の好きな人。
『北斗と同じクラス、嬉しいなあ』
田中「おいお前ら!俺を忘れてないか!」
松村「『ごめん忘れてた』」
田中「泣いていい?」
こんな風に冗談を言い合える関係性が、私は大好きだ。
.
288人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みさん | 作成日時:2024年2月29日 22時