君のこと (ページ31)

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避けられてる? ページ31

A「ごめん、ごめん、迷っちゃった(笑)」

ここは、私の家の近くのコンビニ。

「いいえ、さっき家から出て来たばかりだったので。」

時刻は２２時。

ゴルフを終えた私たちは人気の少ないこの時間に会うことにした。

A「ごめんね、すぐに返さなくて…。」

差し出されたのはあの日、初めて会った時に着ていた着物。

「わざわざここまで来てもらってありがとうございます。なんなら私が取りに行っても…。」

“よかったのに。”と、言う前に相葉が口を開いた。

A「ううん！あ、それと…この前は無理やり泊めてごめんね。」

困ったように笑った相葉さん。

「そんなこと…。」

ないのに…。

A「もう無理やり泊めたりしないから、ほんとごめん。」

何度も謝る相葉さんは、私ではなくほかの誰かに謝っているような気がした。

「いえ、私は全然大丈夫ですよ。」

そう言うと、すかさず

A「じゃ、俺コンビニに寄ってから帰るから。」

そう言ってすぐさまコンビニに入って行った。

その後ろ姿を私はただただ見つめていた。

「なんか、避けられてる気分…。」

内藤「A…。」

振り返ると

「内藤…さん。」

内藤「電話にも出てくれないし会ってもくれないと思ったら、男ができたのか?」

相葉と会っていたところを見ていた内藤が言った。

「ちがっぅ」

Aの肩を掴み血相を変えて内藤が言った。

内藤「どうして俺を待てないんだ!!」

その声は、人気のない夜の住宅街に響いた。