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次の日から朝も昼休みもゴミ拾いに草むしり。
誠意、感謝、謙虚。
その言葉の通り、部員たちは炎天下の中取り組む。
もちろん、私も。
「...ねむ」
あんなに早起きしたのは久しぶりだったから、思わずあくびが出てしまった。
部活が終わり、それぞれ片付けを始める。
私は渚と一緒に椅子を片付けていた。
樋熊「みんな、ちょっといいかな?」
先生の一声にみんなが一斉に振り向く。
先生は茶封筒を渚と私に手渡し、
部員たちに配るよう促した。
配り終わり中身を取り出すと、
"保護者の皆様へ"という文字から始まり
コンクールの応援のお願いの手紙であることがわかった。
樋熊「みんな、家族をコンクールに呼びなさい。」
桑田「どうして?」
樋熊「普段、当たり前のように君たちのことを支えてくれる人たちに君たちの演奏を聴いてもらうんだ。家族への感謝だよ」
"ほれ"と5人組に茶封筒を手渡す先生。
桑田「こっぱずかしいことすんなよ、なあ?」
高杢「うちは来るに決まってるし」
安保「来んのかよ!」
安定の3人のボケとツッコミを聞き流しながら、隣の渚を見る。
渚は手紙を見つめたまま、浮かない顔をしていた。
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いつもの倉庫で各自に練習する5人。
「はあ...」
裕人「お前、さっきから暗すぎんだよ」
私の盛大なため息でみんなが演奏を止めた。
「渚、大丈夫かなあって考えてたらつい...」
蓮「そうだね...」
なんのことかわからない3人と暗くなる幼なじみ3人。
樋熊「まだやってるのか!ほら、差し入れだ!」
倉庫に入ってきた先生は色々詰め込んである紙袋を掲げた。
高杢「そんな金使ったら奈津紀さんに叱られるし!」
とか言いながらも嬉しそうに紙袋を受け取る高杢。
樋熊「頑張るのはわかるけどな、もう遅いんだからそろそろ帰るんだぞ!」
"これ持ってな"と次は私にビニール袋を渡した。
「...先生、これ」
中を取り出すと先生が部活の後に配っていた保護者宛の手紙だった。
蓮「ほんと諦めない人ですね」
蓮がそう言うと先生はなぜか嬉しそうに笑った。
裕人「あんまプライベートに入ってくんなよ」
樋熊「そういうなよ。家族みたいなもんじゃないか」
裕人「それぞれ色々あんだよ」
蓮「渚の家も大変みたいだしね」
樋熊「ん?どういうことだ?」
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チョコ - いよいよ5話ですね!!すっごく楽しみです!!頑張ってください!! (2016年8月28日 18時) (レス) id: 4942bc67fe (このIDを非表示/違反報告)
べる(プロフ) - 続編楽しみです! オリジナルタグ、はずし忘れていませんか? (2016年8月28日 18時) (レス) id: ed26bf2fee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みそ | 作成日時:2016年8月28日 17時