０日目55 ページ8
「いやいやいや、待て待て待て」
そこで抗議の声をあげたのは当然木兎とは対抗ということになる稲荷崎の赤木で、その表情には無条件で木兎に傾く彼らへの怒りがあらわになっていた。
「印象なんかで信じられてたまるかっちゅうねん、それにただ占い師言い張るだけなら赤子でもできるわ」
「流石に赤子はでけへんやろ」
「ちゅーかむしろそういう単純思考回路だからこそ何も考えずとりあえず占い師騙ったんとちゃいますのん？」
「はぁ！？百歩譲ってそこまで考えられたとしてコイツだったらさっきの共有者探しの時点で出てるわ！」
「そうだそうだ、実際月島のとこで出なかっただろ」
「ちょっと、なんで僕が人狼だって前提で話進めてるんですか」
「せやせや、月島くんは人狼やなくて単独の狂人やったから人狼のアンタは出なかったんやろ」
「はぁーーーー、マジでふざけんなよクソッタレ」
「わかった、わかったから一旦口閉じろお前ら」
彼や彼の所属するチームメイトたちもやいのやいのと反撃し、それに更に梟谷の者が反撃し更に飛び火し、結果まとまりのない大声と議論が飛び交う中で澤村は声を張り上げ彼らの言い合いを止めることとなった。
「確かに、一番村人に近い俺達の今の発言は迂闊だった、すまなかった。なるべくフラットな視点から見れるように努力する。
二人のうちどちらが本物かについてだが、それに関しての議論は明日にしないか？理由としてはまず情報が少なすぎて今の時点では何もわからないのが一つ、おそらく明日占い結果を二人が報告してからの方が建設的な議論ができるはずだ。それから、ここに来てから人狼ゲームのみに限らず色々情報が多すぎて一度各々考える時間を作った方がいいと思った。俺としては初日に得ておきたい情報も押さえたことだし、今日はもうこのまま解散してしまってもいいと考えている、どうだろうか？」
「あ、待って」
澤村のその提案に待ったをかけたのは隣の孤爪で、澤村は彼のアイコンタクトを受けただけでああ、と何かを得心したようだった。
「すまない、その前に今のうちに明日の占い先を決めなきゃだな」
「占い師二人に占われてどちらからも白を出されたらその人は村人確定、白黒でも占われた人を処刑して霊能結果を見ればどちらが本物か確定する、二人が別々の人を占えばラインが見える、それらを踏まえて考えてほしい」
「ごめん、そこの金髪くんの声聞こえないからもうちょっと大きな声で喋って」
「…………」
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作者名：世界の真ん中で | 作成日時：2023年5月18日 12時
