0日目46 ページ47
静まり返った食堂内で再び息を呑む音が響いた。
「────は、冗談でしょ?」
眼の前にいるのが自分の先輩だということも忘れて月島は言葉をこぼす、目は瞠目し揺れ、冷や汗がどっと吹き出し、体がふらつき一歩後ずさる、彼はわかり易いほどに取り乱していた。
「なんで……なんでここで偽物が出てくるわけ?おかしいでしょ?ここで対抗して出てきたらどっちも昼に吊られるってわかるでしょ?」
「え、吊るって……!?」
なんでそんな突飛な結論へと至るのかと焦りを顔に浮かべた菅原が戸惑いを口にすれば、それに答えたのは黒尾だった。
「どっちかの共有者三人を吊れば確実に人狼が三人減る、そのどっちかが分かるのは占い師と霊能者の能力、そしてここ二つは人狼陣営が騙って偽共有者を本物だって言う可能性がある。と、なると結局は平行線で最終的に共有者も占い師も霊能者もみんな吊ったほうが確実って話か、なるほどな」
「みんな吊るの!?なんでなんで!?」
今度は木兎が叫ぶがこのミミズクに関してはあとで赤葦に説明をぶん投げようと黒尾はそのまま口をつぐむ。未だ月島と澤村の間にはこの建物に閉じ込められて一番の緊迫した空気が漂っていた。
「まあ、そんなに焦ることはないんじゃない。さっきお前が話してたじゃん」
そしてそんな二人の間に新たに割って入ったのは角名であった。周りで聞いている面々には何のことだかわからないが、何かと色々話し合っていた冊子組の四人はやはり心あたりがあるようだった。
「こうなったら他の共有者も名前出してもらいますけど、いいですよね?」
「ああ、こっちの共有者は──」
「ああ、待って待って、口では言わないでください」
慌てて手を振って澤村の言葉を止める角名、彼は背後のホワイトボードの、先程月島が書き足した文字列の辺りをコンコンと小突いた。
「こっちの方法で教えてください、教える相手なら二人が決めていいんで」
「なるほど……。ちなみにこの提案は誰が?やっぱり孤爪くんか?」
「万一共有者が二人以上出てきた場合にって提案したのはそこのメガネっすね」
「いい加減人の名前覚えてもらっていいですか?」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星を廻せ | 作成日時:2023年3月19日 7時