0日目31 ページ32
「正直、例え外す可能性があったとしても、役職を確認できるっていうアドバンテージはそれ以上に大きい。逆にそのアドバンテージを捨てる選択をしようとするとか、俺には人狼陣営が、村人陣営が役職を把握することを恐れてるように見えるけど？」
「狼に回ったらそのアドバンテージは更に確実性を増すわけだけど？」
角名の言う通り狼が誰かを把握していない村人と、狼が誰かが判別できる狼とでは、同じ方法で騙り込みの役職持ちを炙りだしたとしても、誰が何の役職なのかについては狼の方が確実に知ることが出来る。その懸念は分かっているものの、角名が何故そんなにも頑なに可能性の低い方の説を主張するのか、孤爪にはよく分かっていなかった。
「……俺も、角名さんの気持ちは分かる気がします」
そう静かに告げたのは国見で、三人の視線がこちらへ向いたことにバツの悪さを感じながらも彼は続ける。
「孤爪さんが提案して月島が共有者として名乗りを上げる、の流れがここにいるたった四人の中で起きるのが出来すぎなんじゃないかと、」
「なるほどね、ネックは僕ってワケ」
国見の言葉に月島が不機嫌さをにじませて返す。
「3/53×4/53、じゃあそう考えるのも無理はない、か」
孤爪も冷静に国見の思考を分析する。確かにこの誰も信じられない緊迫した状況であれば、この数字を疑いにかかるのもそう不自然なようには感じられなかった。が、それはあくまで角名の意見に乗っかるように控えめに意見した国見の話である。角名自身に関しては主張が強すぎて、人狼陣営なのではないかという疑念を孤爪が抱くには十分であるように思える。
「まあ、なんにしても共有者が僕以外に出てきてからの話ですよね、そうなったらまたメリットデメリット包み隠さず全員に話して多数決で決めれば良いんじゃないですか？」
月島が小さく挙手を伴って意見すれば、残り三人も顔を見合わせて無言でうなずき同意を示す。対抗する共有者が出なければ月島が本物で確定というのは共通事項であった。
「……ところで、遅いね白布？伝えたら帰ってくるって言ってたけど」
「他の学校にも一応注意して回ってるんじゃないですか？」
「にしてもこんなに時間かかるかな」
「もうあらかたの話し合いも終わってるんですし、探しに行きますか？」
「というか集合場所に行けば良いんじゃない、そろそろ探索組も終わってるでしょ」
「ああ、それもそうですね」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
