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0日目27 ページ28

「悪い、多分今うちのチームメイトが外探索してるはずだから、このこと伝えてくる」
 伝えてきたらすぐに戻る、と言い残して白布は部屋から出ていく。あとに残されたのは彼と同じく冊子確認の役割を担う四人と十人程度ならゆうに入れるだろう小綺麗な会議室。現在彼らは先程の全員での会議の後に、法廷と同じ一階にあるこの会議室(なお、会議室は同じ大きさの部屋が八つある)に移動してダブルチェックの意味も込めて全員で冊子を読んでいたのだが、そこで規則の欄に目を通した白布が自身のチームメイトたちの身を案じて彼らの探索場所に向かったところだった。
「この建物の外に出るな助けを呼ぶな、処刑時襲撃時以外で他人を襲うな【不適切表現】もするな、投票時は必ず法廷にいろ他人の部屋に入るな、etc,etc……。もうなんていうかどんだけ人狼させたいのってカンジだよね」
 嫌悪感を隠すことなく気怠げに述べたのは肩ひじで頬杖をつきながらページをめくる角名で、その目は規則事項と題された欄に向けられている。
「【不適切表現】が禁止されてるって、どんな状況に追い込むつもりなんですかね」
 そしてそんな彼よりも更に膨らませた嫌悪を込めて月島が吐き捨てるように言う。今この場にいるのは同じく調べ物をしている者達だけだが、当然それは彼らに向けられたものではない。
「単純に考えたら、まあ、そういう状況だよね」
 一度染めたきり手入れされずに黒く変色しかけている金髪の隙間から目をのぞかせて孤爪が言う。淡々とぼかすその言葉の裏にあるものを察せない人物はこの場に一人としていなかった。
「で、どーする?規則事項まで目を通したってことはみんな一通り読み終えたってことだよね?」
 角名が聞けば残りの三名が無言でうなずく。
「一応みんなですり合わせしておきます?時間もまだありますし」
「どうせ後にみんなに話すんだし、すり合わせはその時に一緒にやればいんじゃない」
 言外にめんどくさいという意味を込めて孤爪は月島の意見に反論する。すり合わせは今この場で必須というわけでもなく、何よりその方が効率もいいかと自身で納得したため、月島もそれ以上推し進めることはなかった。

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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星を廻せ | 作成日時:2023年3月19日 7時

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