【ハイキュー】思考するサバイバル【人狼ゲーム】 (ページ17)

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0日目16 ページ17

今やすっかり縁遠くなった青色のeをクリックして、三人揃ってネットが繋がるのを待つが──
「……クソったれが」
　パソコンを操作していた京谷から悪態とともに大きな溜息がこぼれる。その落胆は後ろで画面を見ていた二人も同様であった。現在画面に映されているのはインターネットに接続できませんという文言。京谷は引き続きその下にあるリンクからインターネット接続の設定画面に飛ぶが、LANもWifiも繋がっていないこのパソコンでは、どこをいじっても結果は同じだった。
「やっぱりそううまくはいかねーかぁ」
　両手で頭を抱えて絵に描いたように項垂れる矢巾の横で、渡はしばし顎に手を当てて黙考する。やがてなにかを考えついたのか、彼はおずおずとパソコンに向かう京谷に提案した。
「京谷、ファイルって開ける？何かこの場所に関する手がかりとか、あともしここに以前人がいたならその痕跡とかあるかもしれない」
「！そうか、ファイルか」
　自分の思考が及ばなかった部分にハッと目を見張り、彼はデスクトップからファイルのアイコンをクリックした。早速ドキュメントのフォルダの中を見れば、いくつかのPDFがリストで表示された。
「これは……」
　順番に開いていけば、現れたのは人狼ゲームのルールやここで過ごす際のルール、それから先程冊子で見たものと同じ館内図などであった。
「見た感じ、冊子のPDFバージョンっぽいね」
「こっちも空振りか」
　あまり有益な情報も得られず再び落胆の空気が三人を包む。一度フォルダ一覧のページに戻り片っ端から開いていくと、今度はメディア欄にもいくつかの動画が散見された。いずれもタイトルは人狼ゲームのルールに関することで、やはりパソコン自体にこれといった情報は入っていなかった。
「……」
　不意に京谷がマウスを動かし「昼＿処刑」というフォルダをクリックしたが、他の動画は難なく開けた一方でこの動画は権限が無いという旨のポップアップが現れるだけで内容を見ることはできなかった。
「お前処刑って……なんでそんな物騒なファイル」
「物騒だからだろーが、……結局見れはしねーけど」
　少し怯えの色を見せる矢巾の言葉に京谷がぶっきらぼうに返す、その目は一層鋭く真剣なものであった。