【ハイキュー】思考するサバイバル【人狼ゲーム】 (ページ2)

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「んん…………、ん？」
　ホテルのベッドのようにふかふかの寝具に横たわっていた制服姿の少年は、蛍光灯の白い光を受けてその眩しさに瞼を開いた。真上にあてがわれた電気を直接身に受けた瞳孔はちかちかと視界を明滅させる。思わず一度目を閉じて、再度ごしごしと雑に腕で両目をぬぐいながら瞼を開く。身を起こして辺りに視線をやれば、そこは今彼を乗せている高級そうなベッドに見劣りしないほどの高級感漂う一室だった。戸惑いつつもベッドから降りれば靴越しにも柔らかい絨毯の踏み心地の良さが伝わってきた。部屋には彼が先ほどまで身を横たえていたベッドの他にも、優雅な装飾の施されたテーブルとそれを囲むように並べられたゆったりとしたソファ、芳しく香る生花とそれを引き立てる花瓶、自分の家のものよりもずっと大きなテレビなどが置かれており、部屋に二つある扉に手をかければ、一つは広々とした風呂にトイレ、小洒落た簡易キッチンへ繋がっており、もう一方の扉は開けることは叶わなかった。その内装はまさに高級ホテルと言った具合で自分と自分の制服だけがいように浮いているように思えた。
　もしこれが旅行の最中であったなら心ゆくまで浮足立つところであるが、いかんせん部活に多忙な男子高校生である彼にそのような予定はないし、ましてや昨日今日旅行へでかけた記憶なんて存在しない。こうなってくると話はワクワク高級ホテル宿泊から一転、不穏な方向へと転がりだす。一体誰がなんのために、どうやって見知らぬこんな場所へ彼を連れてきて監、禁しているのか。当然ながら彼には何の心当たりもなかった。部屋から出られないこともあって焦燥に駆られるままうろうろと室内を不安げに闊歩していたところで、突然チャイムの音が響いた。学校で聞くものとはまた違う荘厳さを感じさせるようなそんな鐘の音に驚いていれば、今度は部屋の壁際中央に設置されたテレビの電源が勝手に点く、画面に表示されたのは白い背景に黒い明朝体フォントで書かれた「人狼ゲーム」の文字だった。
『テレビの前の参加者の皆さまこんにちは、私、此度のゲームマスターを努めさせていただきます、その名の通りゲームマスターでございます。略してGMとお呼び頂いても結構です。』
　その画面がパッと切り替わり、真っ暗な闇の中スポットライトに照らされた立派な角の生えた羊の面を被った、かっちりとしたスーツ姿の男が現れる。

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