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0日目36 ページ37

そう言って澤村は一番前の席の菅原から白い用紙を手渡され掲げる。また、そこと言って指さした後方の場所には三脚に固定されたスマホがあり、この場の全員及びホワイトボードをカメラで収められる位置にあることがうかがえる。この建物内でそういった携帯端末があることに彼らは小さく驚きを覚えた。
「そして今話し合っている内容についてだが……」
 今まで進行役として申し分なくするすると話していた澤村だったが、そこまで口にすると一旦呼吸を置いて深く息を吐いた。
「まず、最初に共有者を探そうとしたんだ。共有者の能力は分かるか?」
「できることは普通の村人と代わりありませんが、三人いて互いに互いが村人だと確実に知ることができ、夜には話し合いもできる。今はまだ夜が来ていないので誰が共有者かを把握しているだけ……、といったところでしょうか」
 人狼ゲームに詳しい訳ではないのだが、冊子を読み込み持ち前の頭脳で既に大体のルールを把握した白布が発言する。澤村はそのとおりであるとばかりに頷いた。
「そう、共有者は絶対に村人陣営なんだ。なぜこのタイミングで探し出す必要があるかについては、うまいこと進めば狼が誰か一気に分かる作戦があって、それを共有者に実行してもらわなければならないからだ。作戦自体については満場一致で賛成をもらっている、だが……」
「作戦は絶対に村人陣営でなければならない、人狼陣営が実行することに鳴った場合その有利が一気に向こう側に向いてしまう、という話です」
 言い淀んだ彼の言葉を引き継ぐように、月島が淡々と話す。
「共有者は三人、もし一番最初に名を挙げた共有者が人狼で共有者を騙っていたといたとしても、即座に本物のうち誰かしらが対抗として声を上げるはず。結果、こうして二人の対抗する共有者が出てきたと」
「ああ、そしたら今度は、誰か一人を選んで俺たちがそれぞれ自分と同じ共有者の名前を伝え、その人物が確かめるという案が出て、確認役も先程決まった。今は共有者探しを始めようとしていたところなんだ、流れは大体わかったか?」
 今までの会議の内容を簡潔に伝えれば、その説明を聞き届けた彼らも神妙な顔で頷く。やり方は回りくどいが、場合によっては偽物が、処刑する人物が出るかもしれないのだ。
「……それじゃあ、始めるか」
「始めましょう」
 他でもない本人たちが重苦しくその火蓋を切った。

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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (レス) id: 853819a2bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星を廻せ | 作成日時:2023年3月19日 7時

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