0日目18 ページ19
「さっきの教会やら美術室とやらもそうですけど、たかだかゲームやるだけだってのにいらないっすよね、ここらへん」
「うーん、教会は必要な人は必要なんじゃないかな」
この建物全体に若干の呆れを見せる山本の言葉に海が付け足す。だが、山本の言う通り人狼ゲームをやるためだけに作られたとしては色々余計なものが多すぎるように感じることも事実であった。ちなみに、彼の言う美術室は地図上の表記ではアトリエとなっている。先の二つに続けてこの施設は隣接しており、地図上では内側の円を半分ほど占めていた。
「もしかしたら、元からあったそういう施設を人狼ゲームの会場に仕立てたんじゃないでしょうか？商業施設と併設したマンションとか、ホテルとか」
「ああ、逆にか！」
「確かに、可能性としてはそっちのほうが高いかもね」
芝山のその意見に二人が同意する。実際、どの部屋にも窓が存在しないという点さえ除けば宿泊施設としては相当な建物なのだ。
「それなら人狼ゲームはおまけでドッキリ！バレー部の皆様ご招待！みたいな展開だったりしないっすかね？！」
「それは流石に希望的観測が過ぎるだろ」
その話を横で聞いていた犬岡がキラキラした目でほとんど願望に近い憶測を語るが、すかさず夜久が現実に引き戻す。その容赦のないツッコミに犬岡と一緒に何故か灰羽までもが項垂れた。
これ以上この部屋に探索する場所もないかと音駒の一行は扉から外に出る。その近くには下へ続く階段があるのだが、一部の白鳥沢の面々が鬼気迫る勢いで階段を駆け下りていくのが彼らの視界に入った。どうも尋常ではなさそうな様子に、彼らの姿が見えなくなった後も、階段に目を向けたまま話す。
「えぇ……なにあれ不穏」
「あんなに急いでうんこでも漏れそうなんすかね？」
「トイレならそこらにあんだろ」
「一階のトイレがいい感じのトイレとかなんじゃないっすか？」
「いい感じのトイレって何？？？」
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星を廻せ - 中の人です。表紙作りました。人選は完全に我の趣味です。本編などには何も関係ない趣味の人選です。 (2023年3月24日 4時) (
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作者名：星を廻せ | 作成日時：2023年3月19日 7時
