中華マンネは元気100%【SVT】 (ページ10)

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MHside

MH「失礼しましたっ！」

そう言って社長室から出れば、一気に肩の力が抜けて。

中国から韓国までやってきてもちろん不安だらけだったけど、練習生のメンバーさん達はみんな良い人ばかりだったから。

たった4日だけど、きっとあの人たちといる時は緊張も和らいでいたんだろう。

社長室の緊張感は物凄かった。

MH「(…急いだ方が良いのかな)」

メンバーさんの練習を止めていたなら申し訳ない、と思い練習室への足を早めようとしたときだった。

「おい、お前最近来たっていう中国人だろ」

「社長室から出てきたっつーことはもしかしてもう辞めんの？笑」

MH「…？」

いきなり現れた練習生らしき数人に行手を阻まれて。…正直、早口な韓国語で何かを言われても、意味はほぼ分からない。

だけどそれが良い言葉じゃないのは明らかだった。

「外国人は出てけよな」

「なんの為に韓国でデビューすんだ？俺らのデビュー枠奪うなよ!!」

「外国人はとっとと帰れよ」

責めるような口振りでそういう彼らの1人に肩を押され、思わず床に倒れ込んだ。

…やばい、ここに来て優しい人ばかりだったから、こんなの慣れてない。

突然、慣れない環境下に居ることに対する不安が覆いかぶさって。耳を塞ごうとしたときだった。

「おい、きいてんの『あーーーっ！！！』…っ！？」

廊下に響き渡る女性らしき声。

…の割にはちょっと野太いけど。←

DN「ちょっ、もも！このタイミング絶対ダメだって、」

『いたいた、絶対この人だ！チャニ、絶対そうだよ？』

『〈中国から来た練習生？私も中国！同じ、！！〉』

数メートル先からダッシュで僕の目の前まで来て、流暢な中国語でそういう女の子。

…中国？そっか、この子僕と同じ中国出身なんだ。

『うぇぁっ！？どどどどうしよう、涙がっ』

DN「もも〜初対面で泣かせたりしないでよもうー！」

MH「ちがっ、」

どうやら無意識のうちに涙が出ていたみたいで。目の前の彼女は慌てているし、チャニと呼ばれる男の子は彼女を責めているようだった。

MH「君のせいじゃな「うわっ！泣いてるよこいつ！」っ…」

彼女のせいじゃない事をチャニくん？に伝えようとするも、例の練習生たちが僕の言葉を阻んだ。

その時だった。

『あーシ〇ル』

MH「…え、」

目の前の彼女がぽつんと、一言そう言ったのだ。