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HSside
HS「っ…」
一言で言えば、圧巻だった。皆には悪いけど、ここにいる誰よりも上手い。
目の前で踊る彼女は緊張なんて一切していなくて。さっきまでオドオドしてたのが嘘みたいだ。
WZ「…これは流石のお前も認めるしかないんじゃねぇの？」
HS「…分かってるよ、分かってる。」
それでもすぐに首を縦に振ることができないのは、思春期の俺の小さなプライドのせいだ。
だって。女1人がいる男性グループなんて、今まで見たことない。
そんなの…デビューできないじゃないか。
VN「…ヒョン、」
HS「ん、ハンソラどうした」
VN「…僕は賛成だよ。あの子の加入」
HS「、そうか」
今まで一切口を挟まず傍観していたハンソルからそう言われて。
周りのメンバーたちも目を輝かせて彼女を見てる。
……ミンギュは、なんか違う目で見てそうだけど。
『ありがとうございました』
SG「わー、すごいねももちゃん！どこでそんなスキルを…！」
VN「スングァナ、びっくりしてるよももさん」
MG「いやまじですごい！可愛いし！ダンス上手いし！」
DK「ミンギュや〜離れなさい」
音楽が止まって頭を下げる彼女の周りに一斉に駆け出したメンバー達。
みんなはもう、彼女を受け入れてる。…俺だって、本当は。
『あ、あの！』
HS「うぉっ、」
いきなり目の前に来ていた彼女にびっくりして、1歩後ずさる。
『ファン･もも！1…3歳！中国から来ました、たくさんたくさんがんばりますわたし！！』
『だんすは2年前に始めました！もっと上手くなる…たいです！！』
HS「13歳！？…え、2年前！！？」
2年前の2、ピースの形をして俺にそう言う彼女。
13歳で、ダンスは2年前から？それでこのクオリティ？
HS「…ふっ、ふははっ」
DN「え、ヒョン怖い」
HS「ふはっ…おれ、バカみたいだわほんと」
WZ「あぁ？」
13歳で、韓国語も拙いのに中国から韓国まで来て。本人だってここに来ることが不安だったはずだ。
なのに初対面で否定して。いきなりダンス見せろなんて怖すぎるだろ俺。
チャナと同じ3つも年下の女の子相手になにムキになってたんだよ。
HS「…おうっ！早く上達しないと置いてくからな！」
『…？お、おうっ！』
JN「ヒョン、もも意味分かってないよ」
HS「はぁっ！？」
数年後、流暢な韓国語で罵られることを、俺はまだ知らない。
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作者名：mm | 作成日時：2023年6月11日 18時
