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『…私からすれば、貴女より綺麗な人は居ないのですが。』
「意見が合わないわね。」
『はは、だって…華奢な肩や、柔らかい頬や、小さな手…何もかも、私とは正反対で可愛らしい。』
「身体が小さい事を馬鹿にしているの?」
『愛してる、って、言ったんですよ。』
「…何時から貴女が一枚上手になったのかしら。」
『ほら、そうやって直ぐ赤くなる所も愛らしい。』
細長い指にすっと頬を撫でられて、自分の其処が熱を持っている事に気付く。
心まで綺麗で素直な彼女は、何の躊躇いも恥ずかし気も無く愛情を言葉にする。何時まで経っても慣れない自分に情けなくなる事もあるが、仕方が無い。それだけ彼女が好きなのだ。
『さあ、満足ですか?』
「む…」
私の頭にぽんと手を置いて爽やかに微笑むA。私の方が歳上なのに、こうして上手く丸め込まれてAのペースになるのが少し悔しい。
『うどんでも食べに行きましょう。彼処の主人がまたしのぶさんに会いたがっていましたよ。』
「そう言えば、暫く一緒には行っていなかったわね。」
『ええ。揃って顔を見せれば喜んでくれます。』
「そうね。行きましょうか。」
美しくて、綺麗で、可愛い私の彼女。誰よりも私を理解して、受け止めてくれた初めての人。
其の手を取って隣を歩けば、世界は今日も輝く。
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廣岡唯 - 面白い続きが観たい… (11月12日 17時) (レス) @page22 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - めっちゃ最高です。続きが気になります。更新気長に待ってますので頑張ってください! (2021年9月27日 22時) (レス) @page22 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
儚(プロフ) - 七稀さん» 七稀さん、読んでくださってありがとうございます。ゆるゆると更新していくので、これからもよろしくお願いいたします! (2020年5月17日 2時) (レス) id: 375c81672d (このIDを非表示/違反報告)
七稀(プロフ) - めっちゃ好きです!これからも楽しみにしてます!! (2020年5月16日 21時) (レス) id: e9601a34de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕月 | 作成日時:2020年5月9日 2時