久しぶりに帰ったヨコハマは変わってなかった3【文スト】

71話 ページ16

国木田と乱歩さんが謝った翌日。私は気まずいが探偵社へ出社した

『おはよう』

｢！野上さんおはようございます｣

一番に声をかけてきたのは敦だった

｢あ、あの！僕のなんか為にありがとうございました｣

『…仲間なんだから当たり前だ。それと』

｢？｣

『"僕なんか"じゃない。私は君だから助けた。君の居場所は此処だ』

｢っ！ありがとうございます｣

『それと泉』

｢…あの時はありがとう。貴方の言葉があったから私はこちら(光の世界)にこれた｣

『…私はそんな大したことしてない。君がこちらを望み、それに探偵社が応えた。ただそれだけのこと』

｢うん｣

『これからよろしく、鏡花』

｢宜しく…叶恵さん｣

この子可愛すぎる

｢ああ！重要なこと忘れてた！同棲なんて聞いてないですよ!?｣

あ、その事か…

何やら珍しく社内にいた太宰によって説得されていた…

敦遊ばれてるなぁ…と思いつつほっといた

その時の私？勿論書類整理してた←

｢おい、敦で遊んでる暇があったら、ポートマフィアに囚われた件の報告書を出せ｣

あ、まだ書いてないのか…私は今書いてる

その時太宰はまた他の人に報告書を押し付けようとしてた

『太宰治さん。さっさと本題を話せ』

｢叶恵さん？何もフルネーム+さん付けで呼ばなくても…｣

『太宰治さん』

｢…敦君に懸賞金を賭けた黒幕の話だよ｣

さっさと話せばいいものの…ためやがって

｢わかったんですか？｣

｢ポートマフィアの通信記録によると、出資者は"組合(ギルド)"と呼ばれる北米異能者集団の団長だ｣

チッ…やはりあの成金野郎か

｢実在するのか？組合は都市伝説の類だぞ…

構成員は政財界や軍閥の要職を担う一方で、裏では膨大な資金力と異能力で幾多の謀を底巧む(そこだくむ)秘密結社____
そんな連中がなぜ敦を…｣

『国木田…組合は都市伝説なんかじゃない。実在する』

｢なぜそう言い切れる｣

その時外から何やら大きな音…ヘリコプターの音が近づいてきた

『それはな…















私が何度もその長直々に組合に勧誘されてるからだ』

｢…先手を取られたね｣

ヘリから降りてきたのは執拗いほど勧誘してきた彼の姿だった

『…あの成金が』ﾎﾞｿｯ

72話→←番外編〜社長誕生日〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す