久しぶりに帰ったヨコハマは変わってなかった２【文スト】

60話 ページ35

目の前には美味しそう？に湯豆腐を食べる着物姿の少女＿＿＿＿＿＿＿
名は泉鏡花だという
彼女はポートマフィアの暗殺者で六ヶ月で35人殺したのだとか

35人か

ちなみに私の隣には茶を啜る国木田と顔を真っ青にした敦がいる。まぁ無理もない。ここ(橘堂)の値段はかなり高いからね

話を聞いていくと彼女の異能力"夜叉白雪"は彼女の持つ携帯電話からの指示にのみ従う

逆に言えば彼女の意志と関係なくその携帯電話にさえ命令を入れれば誰でも操れるということだ


それに彼女の上司は芥川だと…
それならこの所業にも納得だ。なぜなら彼の元上司はあの太宰だ。
あのスパルタを受けていた彼なら…これは太宰が完全に悪いな。うん。そうに違いない。ごめんな


それからまもなく国木田と敦は部屋から一時的に出た。恐らく彼女をこれからどうするかについての相談だろう…私はその間彼女が逃げないための監視という訳だ


『ねぇ泉、あなたはこれからどうしたい。このまま闇の中を彷徨う？それとも光の世界(こちら)に来る？』

｢…私は六ヶ月で35人殺した。もうそちらの世界には…｣

『本当にそう思ってるの』
気付いたら思ったより低い声が出ていた

｢っ！どういうこと｣

『…まだあなたは知るべきじゃない。ただ忘れないで。あなたを救おうとしてくれている人がいる。そして人は変われるということ













私のようにね』

｢…もしかしてあなたは！｣

その時ちょうど敦が戻ってきた。国木田は先に帰っているそうだ

『じゃあ私も戻るかな。敦、この娘のことよろしくね







またね(･･･)泉』

そして私は探偵社へ帰った

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