42話 ページ11
「叶恵、何を考えているんだい」
『…見ればわかるでしょ。というか来たんだね』
「…」
まさか来るとはね…このまま死ねると思ったのに
『…もうね生きるのが面倒になったんだ。たくさんの人を傷つけてしまった…これでまた探偵社に戻れば迷惑になる。そう考えればやることは1つだろ?』
「…」
『でも太宰とは心中しないから。お前にはもっと生きてほしい』
太宰は死んだと思ってるが実際には織田作は生きてる
「…そんなに頼りないかい」
『え?』
「君は昔からそうやって抱え込む…」
抱え込んでなんかいない…はず
「叶恵、私は君が好きだ」
『…私も好きだよ』
「違う…私は叶恵のことを
どういうこと?あの太宰が私のことを好いている?
私は混乱していた。今までこのような経験がなかったからだ
『いつ、から?』
「うーん…君と出会って1年くらいした頃かな、自覚したのはね」
『全然気が付かなかった』
「そうだろうね。君は普段は私と同じくらい鋭かったりするのに、恋愛となると鈍いからね」
確かに今思い返してみると心当たりが…
「…君は知らないかもしれないけどね、君と出会ってから自さつする回数が減ったのだよ。どうしてかわかるかい?」
あの自 殺愛好家の太宰が?
全然分からない
「この酸化する世界の中で…君と少し生きてみたいと思ったからだよ」
『わたし、と?』
「そう」
『でも私より美人でいいひと沢山いるでしょ…太宰も
「顔だけって酷いなぁ…私は君だからいいんだよ」
私だから…か
『でもね太宰。私愛とか全然分からない…だから太宰の気持ちには応えられない。ごめん』
「つまり…愛が分からないから断る。という事かい?」
『…うん』
「…なら問題は無いよ。私が愛を教えてあげる
返事はそれからでいい
私と共にもう少し生きてくれるかい?」
太宰の顔はいつになく真剣だった…
私の答えも決まっていた
『分かった…とりあえずここで死ぬのは辞める』
「そう言って貰えて良かったよ」
太宰は安心したように微笑んだ
『そういえば太宰、この場所覚えてたんだね』
「もちろん。君と来た場所は全て覚えているよ」
それはすごいな…さすが太宰
「そろそろ帰ろうか」
『そうだね…来てくれてありがとう
治』
「言っただろ?君を手放さないと」
そして私たちは夜のヨコハマを歩いて帰った
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ふぁぁんでぇす - とてもにちゃにちゃしながら読んでます。これからも頑張ってくだせぇ‼楽しみに待ってますすす‼ (10月17日 23時) (レス) id: 138a5f5117 (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - エレンNo2さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです(*^^*)これからもよろしくお願いします (2023年1月9日 21時) (レス) id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕、文スト大好きなんですけど、めちゃくちゃおもしろいですね! (2023年1月9日 15時) (レス) id: ef9ab59deb (このIDを非表示/違反報告)
Megumi(プロフ) - ユリさん» ネタ提供ありがとうございました!これからも頑張るのでよろしくお願いします (2022年11月6日 15時) (レス) id: 2b7b46d822 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ - 鏡花ちゃんbirthdayも面白かったです!!私の案、取り入れてくださってありがとうございます。また楽しみにしてますね*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*改めて、鏡花ちゃん、Happy Birthday!(一日ずれちゃったけど!) (2022年11月5日 22時) (レス) @page44 id: 8486d49576 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Megumi | 作成日時:2022年7月2日 18時