久しぶりに帰ったヨコハマは変わってなかった【文スト】 (ページ43)

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35話ページ43

今回も会話多めです
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NOside
太宰が叶恵に抱きついたことに対して、ほかの探偵社のメンバーの反応は様々だった

ある者はその行動に驚き

ある者は顔を赤らめ

ある者は唖然とし

ある者はから揶揄うように見つめていた

『っ！貴様何をする！離せ』

理想を追い求める彼は思った
____こいつは何を考えているのか

｢…私が抱きつけば君は武器を出せなくなる。抱きつけば動けないだろ？｣

確かにその通りである

『…私は貴様より強い。たとえ武器が無くとも』

｢…強がらないでくれ｣

『私が強がっている？そんなことありえ…』

「ならどうして

震えているんだい」

『ふる、える？』
この時彼女は初めて自身が震えていることに気が付いた

「叶恵、お願いだ。戻ってきておくれ」

そう語りかけた太宰の声は、普段のふざけている彼とはかけ離れたものだった

真剣

その言葉が一番しっくり来ていた

この時の太宰に願いはただ一つ

彼女が戻ってくることだ

『だ、ざい…』

「！お帰り、叶恵」

『ただ、いま？』

その時の太宰の表情はとてもやわらかかった

「心配、したのだよ」

『ごめん』

「帰ってきてくれたからいいさ」

『ごめ…ちょっと休ませて』

「もちろんいいよ。安心して休んでくれ」

『ありがと…

治』

そして彼女は眠りについた

「そんなの反則でしょ」

太宰は叶恵を姫抱きし、見守っていた探偵社の皆の元へ戻った

この時の太宰は、顔こそ澄ましているようだったが耳は真っ赤に染まっていた

後日与謝野達にこの件で揶揄われたのは言うまでもないだろう

何はともあれようやく”異能力者連続傷害事件”は幕を閉じたのであった