夢心地ってあほらし (ページ25)

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一人にしないで欲しかった。

ただそれだけだった。

一人でいる方が気楽なのに、なんでみんなといると「離れたくない」って思っちゃうんだろう。

人に迷惑かけて人に心配させてそれでも俺のことをちゃんと気にかけてくれることが嬉しくて。

気が沈んだときでも、些細な変化に気付いてくれて静かに見守ってくれる兄弟がいてくれるだけで幸せで、こんな在り来りな日常だけど俺にとっては1度きりの人生でこんな充実した毎日が送れている。

現に今だって「俺が綺麗だから」って理由で涙を流してくれている。

でも残念ながら俺はキレイではない。

闇だらけだよ。

身体中が真っ黒くて汚くて、そうまさに真っ黒黒すけみたいな。

実際に見たことなんてないけど。

「北斗、俺はいつでも北斗の見方だから、」
優しい顔で言う樹にまた泣きそうになる。

「おやすみ。」

なんだか恥ずかしくなってそのまま布団を被った。

おやすみ

その声は聞こえなかったけど、樹と一緒に寝ている夢を見た。

まっくらのなか一緒に手を繋いで眠る夢を。