あいつに彼氏が出来た？全 員 集 合 。【呪術廻戦／逆ハー】

お前ら、全員集合。25 ページ25

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『‥‥‥へ？』






今しがた、七海さんの口から出た言葉が信じられなくて思わずぽかんとなる。え？ちょ、今聞いたの私の聞き間違いですか。

‥‥‥いや聞き間違いだったら相当ヤバいとこまで来てるぞ私。






「‥‥訳が分からないという顔をされてますね」

『いやほんとに分かんなくて、』

「分かりませんか？口説いてるんです、貴女を」








不意に七海さんがくしゃりと表情を緩めて、口元に笑みを浮かばせた。







「貴女に恋人が出来たと五条さんから聞いて、らしくもなく‥‥嫉妬してしまいました。困ったものですね、もう良い大人だというのに」

『は、ぇ‥‥』

「けれど貴女は私のものでは無いから、私がとやかく言うことは出来ません」

『めっちゃさっき田中さんについて言ってませんでしたか‥‥』







思わず突っ込んでしまった。不可抗力である。

しかし大の大人である七海さん、自分のペースを崩すことなくゆったりとしかしじわじわと距離を詰めてくる。






「だから、忘れないで下さい」






こちらもジリジリと後退を続けていたが、最終的にトン、と背中に壁の感触を感じた。どうしよう七海さんの大人の色気からもう逃れられない。

七海さんの手が、ゆっくりと私の顔の近くの壁に当てられる。







「貴女を愛している男が近くに居ることを。もし貴女さえ良ければ、恋人と別れた時に貴女の彼氏候補に立候補させて下さい」







その言葉に思わず顔を真っ赤にさせる私に満足したように、壁から手を放して「すみません、怖がらせてしまいましたね」と優雅に微笑む七海さん。







「では、私はこれから任務があるので」







また、と言い残してから去ってゆく七海さんの後ろ姿を見ながら『言い逃げはズルい‥‥‥』とずるずる壁に背中を預けるしかなかった。

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