03. いやー楽しみ。 ページ3
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「おーい、A〜」
廊下で誰かに後ろから呼び止められ、振り返ればいつもの笑顔を浮かべた五条悟が立っていて、「さと‥‥五条先生!」と彼女はぱっと顔を輝かせる。
たたた‥‥と自分の元へ駆け足でやって来る生徒を、可愛いなぁ、と思うのはいつものことで。
五条先生。うん、先生って呼ばれるのもいいな。
「二年との顔合わせ、済んだ?」
「はい!先輩たち、とっても優しい方々で。あ、LINE交換して貰っちゃいました。嬉しいです」
ほら!と、新たに追加されたのだろうスマホ画面のLINEの友達欄を嬉しげに見せてくるA。五条はその頭をくしゃりと撫でてやりたい衝動に駆られた。
結局「そっかそっか〜」とにこにこして撫でたが。
「Aは上の学年の奴らとも相性良さそうで、先生安心」
「だと‥‥良いんですけど‥‥」
「‥‥大丈夫。ぜっったい上手くいくよ」
少しだけ不安げにする彼女を励ましてやりたくて、優しく笑い掛けた。
「あ。そーだそーだ、忘れるところだった」
「?」
「はい、これ。入学祝い」
五条は片手に下げていた紙袋を彼女に差し出した。Aは軽く首を傾げながら、「ありがとうございます」とお礼を言って紙袋を受け取り、中を覗き込む。
紙袋には、三着程の高校生に人気そうな可愛らしい服が入っていた。
「えっ‥‥!新しい服、こんなに良いんですか!めっちゃ可愛い‥‥!」
「Aに似合うだろーなって思って。また、僕とデートする時にでも着てね」
「で‥‥、は、はい!」
もう一度、「ありがとうございます!」と本当に嬉しそうに可愛らしく頬を染めるAに、買って来て良かったなと五条は再度実感した。
「一年生一人だけど、特に心配することも無いと思うよ。先輩たちが何かと構ってくる筈だから」
「そう‥‥なんですかね‥‥」
「うん。だってAかわいーし、構ってやりたくもなるよね」
「か、かわ‥‥!えぇ‥‥」
そりゃあ、と五条は心の中で呟いた。
04. 別にいじめてるとかじゃ。→←02. お前は悪くない。分かってる。
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凛音 - 涙が出てきそうになりましたが頑張ってこらえました、なぜなら目に涙がにじんで文字が見えなくなるからです。頑張ってこらえました、でも結局泣いてしまいました。本当に感動しました! (8月28日 10時) (レス) @page46 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
どこぞのオタク - 良かったです...泣きました......うぅ、是非とも夢主ちゃんには皆から「人殺しの妹」ではなく「夢主ちゃん」としてみて貰って幸せになってほしい...最高でした!! (2023年3月13日 15時) (レス) @page46 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ニコ25さん» 最高だなんて言って頂いてッ‥‥本当にご愛読ありがとうございました♡高専で皆で青春してる感じが書きたくて、楽しんで頂けたようで嬉しいです!!! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - メロさん» 本当にご愛読ありがとうございました!!毎度メロさんのコメントに支えられていると言っても過言ではないです!!!二週目なんて嬉しいです‥‥!これからも宜しくお願いしますッ! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ25 - マジで最高でした!!!!!高専の皆のわちゃわちゃ感最高すぎる......(≧∇≦)ありがとうございました!!! (2022年5月31日 23時) (レス) @page45 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年4月2日 19時