15. もう何でもいいや。 ページ15
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「‥‥おっ。来た来たA。こっち早く来いよ〜」
真希に連れられやって来たのは、先程もご飯を食べた共有スペース。自分の名前を呼ばれた方向に目を向けると、テレビの周りを囲うように設置された居心地の良さそうなソファーに、三年組が並んで座っていた。
パンダと狗巻が揃ってこちらに手を振り、乙骨が優しく笑いかけてくる。
「Aちゃん、こっち座る?」
「パンダの隣にも来いよ」
「じゃ、し、失礼します‥‥!」
空けて置いてくれたらしい。パンダと乙骨の間のぽっかりと空いた場所におずおずと腰を下ろした。
真希が、Aがソファーに座ったのを確認してから「よし」と口を開いた。
「やるぞ‥‥‥‥‥マリカー!!!!」
「うぇーい」
「しゃけ!」
「いぇーい」
「お‥‥おぉ!」
これから戦う‥‥とは言っても、それは画面の中での話。真希主催のマリカー大会にAは誘って貰ったのだった。
やはりそこは高校生、色々と非日常ばかり経験する生徒達も夜に人並みにゲームはする。Aは先輩達とゲーム、というシチュエーションに心踊らせた。
「はい、これコントローラー。一応聞くけど、Aちゃんてマリカーやったことあるかな‥‥?」
「はい!あります!人並みに!」
「明太子、いくら」
「‥‥?えっと‥‥‥」
「棘が“憂太ゲーム弱っちぃから心配しないで大丈夫だよ”って言ってる」
「ちょっと狗巻くん!?気にしてるのにいきなりAちゃんに暴露するのやめてよ!パンダくんも訳さなくて良いから!!」
「てへっ」
「可愛く言っても無駄だからね!?」
乙骨先輩‥‥ゲーム苦手なのか、とAは意外に思う。
特級術師でこの中で一番強いのに。
「なんか‥‥‥ギャップ?ですね、乙骨先輩」
にこ、と乙骨に微笑み掛けると乙骨は途端に動きを止めた。
それから、何故か天を仰ぎ、
「うん‥‥‥!!」
「秒速で思考を放棄するな」
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凛音 - 涙が出てきそうになりましたが頑張ってこらえました、なぜなら目に涙がにじんで文字が見えなくなるからです。頑張ってこらえました、でも結局泣いてしまいました。本当に感動しました! (8月28日 10時) (レス) @page46 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
どこぞのオタク - 良かったです...泣きました......うぅ、是非とも夢主ちゃんには皆から「人殺しの妹」ではなく「夢主ちゃん」としてみて貰って幸せになってほしい...最高でした!! (2023年3月13日 15時) (レス) @page46 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ニコ25さん» 最高だなんて言って頂いてッ‥‥本当にご愛読ありがとうございました♡高専で皆で青春してる感じが書きたくて、楽しんで頂けたようで嬉しいです!!! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - メロさん» 本当にご愛読ありがとうございました!!毎度メロさんのコメントに支えられていると言っても過言ではないです!!!二週目なんて嬉しいです‥‥!これからも宜しくお願いしますッ! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ25 - マジで最高でした!!!!!高専の皆のわちゃわちゃ感最高すぎる......(≧∇≦)ありがとうございました!!! (2022年5月31日 23時) (レス) @page45 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年4月2日 19時