13. 些細な違和感。 ページ13
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ひっそりとした空気に包まれた校舎の廊下を、伏黒とAは歩いていた。伏黒は彼女がついてこれるように歩くスピードに気をつけながら、チラリと隣を一生懸命歩く彼女を見る。
‥‥虎杖が適任だったか、と少し後悔していた。普段無口な俺相手じゃ話しずらいだろうし、そもそも一つ下の後輩相手に何の話題を提供したらいいのかも分からない。
‥‥‥‥‥高専での生活は慣れたか、とか?いや何様だ俺は。
「‥‥あの、伏黒先輩」
「な‥‥んだ」
びっくりして少しだけ声がどもる。
「伏黒先輩も、一年の頃に真希先輩に特訓付けて貰ったり‥‥しましたか?」
きっと気を使って話題を提供しようと、一生懸命考えて出した話題なんだろう。何だかそんな彼女がいじらしく、可愛く思えてきて。
「あぁ。‥‥正直、真希さんにとって高専の一人目の後輩だったからか知らないけど、かなり酷くしごかれた」
「あはは。その光景、なんとなく分かるかもです」
ちょっとだけ笑ったAの笑顔は、こちらまで口元が緩んでしまうような、そんな柔らかい表情だった。
「‥‥‥Aは、どういう経緯で高専に来たんだ?」
ふと何気なしにそんなことを聞いた時__伏黒で無ければ感じられなかっただろう__微かに彼女の表情が曇り、触れられたくない話題だったかと伏黒は内心焦った。
けれどすぐにいつもの笑みを浮かべたので、勘違いだったかとも思う。
「五条先生にスカウトされまして。‥‥まだ、任務もこなしたこと無いんですけど」
「そうだったか」
それ以上聞くのも、何故か憚られた。
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凛音 - 涙が出てきそうになりましたが頑張ってこらえました、なぜなら目に涙がにじんで文字が見えなくなるからです。頑張ってこらえました、でも結局泣いてしまいました。本当に感動しました! (8月28日 10時) (レス) @page46 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
どこぞのオタク - 良かったです...泣きました......うぅ、是非とも夢主ちゃんには皆から「人殺しの妹」ではなく「夢主ちゃん」としてみて貰って幸せになってほしい...最高でした!! (2023年3月13日 15時) (レス) @page46 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ニコ25さん» 最高だなんて言って頂いてッ‥‥本当にご愛読ありがとうございました♡高専で皆で青春してる感じが書きたくて、楽しんで頂けたようで嬉しいです!!! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - メロさん» 本当にご愛読ありがとうございました!!毎度メロさんのコメントに支えられていると言っても過言ではないです!!!二週目なんて嬉しいです‥‥!これからも宜しくお願いしますッ! (2022年6月4日 7時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ25 - マジで最高でした!!!!!高専の皆のわちゃわちゃ感最高すぎる......(≧∇≦)ありがとうございました!!! (2022年5月31日 23時) (レス) @page45 id: 270b34836a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年4月2日 19時