お前ら後輩愛しすぎかよ。【呪術廻戦／逆ハー】

12. 彼女が鬼は共通認識。 ページ12

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きゅ、と水道の蛇口を捻り十分な量の水がタオルに染み込んだのを確認してから、伏黒は再度蛇口をひねって水を止め、タオルをしぼって立ち上がった。

それから校庭へ戻ると、真希のしごきが終わってダウンしたAをうちわで仰ぐパンダと狗巻の姿が見える。






「‥‥すみません‥‥ありがとうございます‥‥」

「良いって良いって。いやー真希にあんだけしごかれて倒れてないAが凄いよ」

「しゃけゃけ。明太子(訳：頑張ったねAちゃん」






先輩にうちわで仰がせてしまっている罪悪感からか、「すみません‥‥すみません‥‥」と謝罪を連発する。

日陰で横になるAが、ふと顔だけ校庭側に向けると、あれだけAを相手にしごいていた真希が今度は虎杖と熱い戦いを繰り広げているのが分かった。

す、すごい真希先輩‥‥と彼女は思わずにはいられなかった。タフ過ぎる。真希先輩より動いていない私がこんな感じなのに、やっぱり異次元の強さだな‥‥。

すると、やって来た伏黒がAの側にしゃがみ「冷やすぞ」と告げてから彼女の額に冷たいタオルを乗せる。








「ありがとう‥‥ございます‥‥」

「大丈夫だ」

「本当に‥‥すみません‥‥」

「大丈夫だから、そんなに謝るな」







彼女の顔に掛かっていた髪をはらってあげながら、伏黒は表情を緩めた。







「‥‥しっかしなぁ。今日はちょっと面白いもん見れたな。恵、さっき野薔薇と戦ってたけど見れたか？」

「いや、‥‥面白いもんって？」

「真希がさぁ、木刀振り上げた時にそのまま当てれば良いのにAのヤツが目瞑ったから、ちょっと手元狂ってたんだよ。戦闘狂の真希でも可愛い後輩相手だと迷ったりするんだなーって」







可愛い後輩。‥‥俺が一年の時、あの人本気で俺を潰しに来てたけど。

血も涙もない鬼にもそういう一面はあるんだな、と割と失礼なことを考えた自覚のあった伏黒は「それより、」と側に横たわっているAに視線を向ける。








「A。あと少ししたら、立てそうか」

「‥‥‥頑張ります‥‥」

「無理するな。‥‥もし、行けそうだったらこの後保健室行こう。そのたんこぶ、自然治癒で治るだろうが時間掛かりそうだからな」







女子だし、顔の傷は早く治したいだろ。という伏黒のささやかな気配りだった。

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