10. それはなんとなくの予感。 ページ10
【過去編_2】
「A。悟と仲良くしたらどうだい」
「何で?」
「理由って要るものだったか?」
Aと夏油は教室で駄弁っていた。
彼女が夏油に「ポッキーいる?」と菓子箱を手渡すと、夏油は「貰うよ」とポッキー 一本を箱から取り出す。
「あんなヤツと仲良くしたくない」
「まぁまぁ。確かに初対面の時のは悟が悪かったが、もう一週間立つだろう?許してあげても良いんじゃないか。これから苦楽を共にする仲間なんだし」
「じゃあ今日の“お前チビ過ぎねぇ?お前がしゃがんでたら俺お前に気付かずに踏みつけそう“って言われたやつはどっちが悪い??」
「‥‥‥‥悟だな」
「知らん、五条のことなんか」
おい悟。この私がちょっと悟が可哀想だなと思ってこうやってAに話してあげているのに、君は何なんだ。何を散々やってるんだ。
悟。もう本当に救いよう無いぞ。
「良いのかい、これから。クラスメートなのに」
「良いし。それに」
「夏油の方がよっぽど優しいし好きだもん」
夏油は一瞬何を言われたのか分からなかった。Aが頬を膨らませて、さも当たり前のように言うものだから。
‥‥いや。この子のことだから他意は無いだろう。ただ、思ったことを思うままに言っただけだ。そう、だから。
自分が期待していることを、彼女は言った訳じゃない。と夏油ははやる気持ちを無理やり抑えた。
「‥‥‥それはありがとう。私も君が好きだ。けれど、嫌でも悟とはこれから何年もの付き合いになるんだ。関係を当たり障りの無いものにしておくのは、楽だと思うよ」
「そう‥‥なのかなぁ‥‥」
Aは中学校からの付き合いである夏油の言葉に、少なからず心を動かされている様子だった。
「‥‥善処する」
「はは。うん、良いよ。今はそれでも良い」
少し、五条が羨ましいと夏油は思う。
初対面で、あんなに早くAの心の内側に入れて。自分はあんな風に彼女と関わることが出来ないから。
「悟もどうにかしないとね」
あいつ、好きな子をとことんいじめるタイプだろうな。と夏油は何の前触れもなくそう思った。
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アサキ - すごい面白かったです!!コサックダンスしてください! (11月13日 16時) (レス) id: 48b370e610 (このIDを非表示/違反報告)
Yona - 面白かったです!いい作品をありがとうございます! (2022年7月14日 21時) (レス) @page47 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタさん» 初めまして!ご丁寧に、そして素敵すぎるご提案ありがとうございます!宜しいんですか...!?あらすじまで😭嬉しいです、是非お願い致します‥‥!この作品をそんな風に思って頂けて幸せですっ。書かれたら読みに行きますね✨本当にありがとうございます‥‥! (2022年4月6日 20時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 続きです。嫌なら断って良いです。ですが、私からのざっくりとしたあらすじは書かせてもらいます。それで良いのなら、okを出してください。あ、勿論悪いことは書きません。嫌だな、と思った箇所は教えてください。すぐに消すか直します。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - コメント失礼します。ほしふる。様のこの作品を、私の方で宣伝させてもらえませんか?私はこの作品に出会った時に、もっといろんな人に見てほしいと思い、宣伝したいと思いました。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年3月5日 18時