答え合わせ ページ9
「こんなとこよりさ、いいとこいこうぜ姉ちゃん？」
嫌なのに、抵抗できない。
こんなことなら、もっと欲張ればよかったな。
「A、もう大丈夫。ちょっとこれしててね」
「ごじょ、せんせっ」
先生は自分の目隠しを私にしてくれた。
「ふぅー、こわかったねA。早く来てあげられなくてごめんね」
「せんせっ…っわた、し」
「よしよし。とりあえず高専入ってから話そっか」
「棘がお見合いで、それで嘘ついたってわけね。困らせたくない気持ちもわかるけど、嘘はいけないよ」
「…うん」
「てか、Aは優しすぎなんだよ。もっと欲張れ！そして奪っちゃえ！」
「でも、」
「本当のことを言ったら、案外困らせないかもよ？それと、ちゃんと消毒してもらってね」
「私こういう時の先生かっこいいって思うよ」
「僕はいつでもナイスルッキングガイですー」
「ふふっ」
先生のおかげで元気出た。
やっぱり持つべきものは最強の先生だなぁ。
「あ、あの狗巻くん。ちょっといいかな」
「…しゃけ」
「あのね、私嘘ついてたの。ごめんなさい。」
「おかか？」
「本当は好きな人できてなくて、私ずっと狗巻くんが、好きなのに、お見合いするっての偶々きいちゃって、困らせたくないって思って、嘘ついたの。さっきの高専の前で迫られたのも全然知らない人で、」
続きを話す前に彼の体温に触れた。
「おかか！ツナマヨ！すじこ」
彼は、逃げてしまったことを悔やんで謝った。
それとともにお見合いは断るつもりだったことを教えてくれた。
「…す、き、…」
彼の口からこぼれた言葉。
「…そんなこと言われたら、私が困っちゃうよ」
私は自分から彼の唇に触れた。
「消毒、してほしい」
彼は私に覆いかぶさって、
二人で甘く溶けていった。
「お前ら、いつも通りに戻ったな」
「またイチャイチャしだしたな」
「パンダくんも真希ちゃんも迷惑かけてごめんね！やっぱり狗巻くん一筋です」
「てことは付き合ったのか？」
「あ、付き合ってとは言ってない…」
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作者名：ちとせあめ | 作成日時：2021年3月4日 20時
