色気が欲しいんです【狗巻棘】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:14,209 hit

たまに、ページ5

たまにね、ふと寂しくなる。

きっと誰にでも起こることなんだろうけど、
　
私だけが取り残されてるみたいで、

泣きたいけど、うまく泣けなくて、

過去の後悔とか、いろんなことがぐちゃぐちゃして、

「せっかくみんなで集まったのにごめん、ちょっと外の空気吸ってくるね。」

「暗いから気をつけろよー」

「おけー」

「…しゃけ」

　

「なんでこんなネガティブなんだろ、」

ほんとはもっとみんなといたいはずなのに、

うまく笑えなくて、空気重くしちゃいそうだし、

「高菜」
　
「え？！狗巻くん、どうしたの？」

「明太子」

心配して来てくれたようだ。

「…狗巻くんは本当に優しいよね。」

「おかか！」

「なんだかね、今日は少し寂しいの」

ぎゅっ

「…嫌なら、突き飛ばしてね」

「お、かか」

「ふふっ、優しい」

落ち着く。なんだろ、匂いかな。優しくてあたたかい。

「パンダくんもおひさまの匂いするし、真希ちゃんもいい匂いだけど、やっぱり狗巻くんの匂いが一番好きだなぁ」

だんだん、眠くなってきた。

「ちょっとだけ、たまには、」

優しくあたたかいのに包まれて、夢の中へと溶けていった。
　

「お、おかえりーって、それどうしたんだよ」

「A寝てんじゃん」
　
「しゃけ」

頼られてるようで、嬉しそうな狗巻くん。

今夜、夢の中でも会えるといいな。