3/16 折りたたみ傘の日 ページ5
ポツポツと、地面の土の色が変わっていく。
「困ったな……。雨宿り出来る場所はこの辺りには無いのに。なぁ、ユリコ。ユリコも濡れたくないだろう?」
このままでは錆びてしまうから、と屋根のある場所を探すも中々見つからない。やっぱりレインコートを持ってきておくのだった……とため息をつく。
そういえば、と三木ヱ門は昨夜のことを思い出した。
『見てくれユリコ。小さな傘だと思うだろう? これをこうして……ほら、ちゃんと傘になった! 使わない時は小さく出来るから、任務の時にも持って行ける。これで更に雨からユリコを守ることが出来るぞ〜!』
明日は雨らしいからな、とユリコのレインコートを取り出す。
『うーん、少しレインコートが汚れてきたか? せっかくだから、明日は折りたたみ傘を持っていくことにしよう!』
そう言って昨日に折りたたみ傘を用意しておいたはずだ。懐を探すと、案外簡単に見つかった。
「よし、これでもう大丈夫だぞ。そうだユリコ、知っているか? 2人で1つの傘に入ることを相合傘と言うそうだ。濡れないように距離が近くなるから良い……と、どこかで言っていた。確かに良いものだな、ユリコ!」
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作成日時:2024年3月29日 0時