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3/14 ホワイトデー ページ3
いつもより少し浮かれ気味の三木ヱ門が、煙硝蔵のそばの格納庫の扉を開けた。
「ユリコ〜!」
満面の笑みでちょこれいとを取り出し、ユリコの前に優しく置く。
「ばれんたいんのお返しだ。ユリコに似合うと思って」
包装を解くと、ユリコをかたどったクッキーが顔を覗かせた。
「可愛いだろう!やっぱり私の予想通り、ユリコによく似合っているな。私がユリコのためを思って作ったんだぞ〜!」
けど……、と三木ヱ門は少し眉を下げる。
「結局は私が食べることになるのだがな。ユリコ、お前は──」
うつむいて言葉を詰まらせる三木ヱ門。少し考えて首を振り、ぽつりと呟く。
「ユリコ。私はお前が好きだ。ユリコも同じ気持ちだと嬉しいよ」
ぱく、とクッキーを口に入れる。
「ほら、私がユリコのことを考えながら作ったんだ。美味しくないわけが無いだろう!」
すっかり自信を取り戻した三木ヱ門はユリコを撫でると、もう1つクッキーを口に入れる。
ほのかな甘みが口の中に広がった。
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作成日時:2024年3月29日 0時