17,遣り残した事を ページ17
私しかいない執務室にはパソコンの音だけが異様に大きく聞こえる。
あれから時間は一刻と過ぎ、遂に貰った期限が今日で後2日のみになった。
「ふぅ。取り敢えず、引き継ぐ書類とかは
これで全部かな」
後は、少し細やかな事を纏めるだけになった。こうして思うと一週間なんて疾い物だなんて柄にもなく思ってしまう。
「・・・・・・っいった」
因みに首領の診断は矢っ張り本物だった様で
身体の痛みが常時になり、感じた事のない痛みが私を襲い続けるようになってきた。
本当に私の命は永くないらしい。
それと肝心のあの人は主張に行っているらしく、二、三ヵ月は戻って来ないらしい。
「・・・・・・最期まで会えずじまい、か」
本当に神様がいるのなら一言くらい文句も云ってみたいものだけれど、ここまで来たらもう自分の運命なのだと受け入れるしかなかった。
結局は誰のせいでもないのだ。
まぁ何にせよ此処を出る前に一つ遣り残した事があった。最初に嘘を付いてしまった事が私の中で其の儘罪悪感として残ってしまっていた人物だ。
その人物に会うために部屋の前まで行き扉を叩く。
「姐さん。A です。」
「A か?入れ」
中に入ると相も変わらず気品な動作で事務仕事を行っていた姐さんに思わず頬が上がる。
「仕事中でしたよね。すみません」
「良い。丁度一休みしようと思っていたところじゃ。にしてもお主から訪ねてくるなど珍しいな。何かあったのかえ?」
「・・・では唐突にはなりますけど、姐さん。私、今まで嘘を付いていたんです」
「嘘じゃと?お主がか?」
「・・・はい。この間お会いした時に体調が悪くないって云いましたけど、それ嘘なんです。
私、もうすぐで死ぬんです」
隠していた事実を告げると姐さんの目が驚きで見開かれる。
その反応はもう私には見慣れた光景だ。
まぁ矢っ張り其の反応にはなるだろう。けれど、私はもう云わなければ良かった、なんて後悔はもうしない。
告げるのは姐さんがきっと最後だろうから。
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ユリア(プロフ) - すごく泣きそうになりました!でも、とてもいい結末だなーと思いました。 (2023年2月3日 23時) (レス) @page40 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
小指よくぶつける - めっちゃ泣いた。……!! (2020年8月27日 23時) (レス) id: eb8322ff5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - 粉雪餅さん» 嬉しいお言葉有難うございます!楽しんで頂けて私もとても嬉しいです!有難うございました! (2019年9月21日 13時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪餅 - ゆうみるさん» 面白かったです!とっても泣きそうになりました!小説面白かったです (2019年9月21日 8時) (レス) id: bd26a6d5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - ななさん» 最後まで見て下さったんですね!!有難うございます泣 本作品楽しんで頂けたでしょうか?次回作はまだ思い付いてはいませんが次がありましたらまた見て頂けると嬉しいです!本当に有難うございました! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうみる | 作成日時:2019年7月21日 8時