笑う門には福来る (ページ8)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:5,636 hit

才あまりありて識足らずページ8

「あの、どういう真似ですか？」

「単刀直入に言うとずっとお前を疑っていたんだ」

率直な言葉を言うゼンに目を見開く。
しかしすぐ笑顔になり首を傾げた。

「根拠は？」

「ある･･･とは言いきれないが、試験の時、お前はすべて相手の急所を的確に当て一本をとっていた。そしてもう一つは“勘”！」

「･･････え」

自信満々にいうこの王子に絶句してしまう。

なんなんだ、ここは。

Aだけでなく他の三人も三者三様の反応のご様子。
ゼンは気を取り直しゴホン、と咳をする。

「まあ、伝令役というのは俺がお前を監視するという意味で付けたものだ。本当はオビが白雪を守ると言う意味で付けたのだが今回は話が違うからな」

ゼンは笑い身分証を改めて渡した。
Aはなるほど、と呟きそれを掴んだ。

どうやら私は厄介な所に来たようだ。

＊

「────まあこっちはこっちでなんとかするけど依頼達成は先延ばしになりそうです」

今までことを手紙で報告する。
宛名は依頼主だ。

「さぁ、これから忙しくなりそうだ」