笑う門には福来る (ページ13)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:5,627 hit

虫が好かないページ13

「「ふわぁ･･･」」

Aとオビは同時に欠伸をする。
それを見た白雪はクスッと笑って薬草をゆっくりと抜く。

「なんですか？」

「いや、本当に仲良しだね」

白雪の純粋な感想に少し不機嫌になるA。
一方、片側にいるオビは無邪気に笑う。
そんな顔をされてそっぽを向き白雪の方へと薬草抜きを手伝いに行く。

「白雪殿はいつもこんな事をしているのですか？」

「白雪でいいですよ」

「･････････白雪」

「そうですね。薬剤師にとって薬草は必需品ですから。それにどんな患者さんが来ても対応できるようにって！」

少し照れくさそうに笑う彼女にAは顔を赤くする。

“可愛い”

そんな事を思ったのは秘密だ。

「A嬢は前職は何だったんですか？」

「なぜ私が職を持ってるって分かるんですか？」

突然話に入ってきたオビに対し少し冷たくして質問を質問で返した。

「だって試験の時のあの腕は何かしてそうだし」

少し意味ありげに笑うオビ。

「どこでもある街の道具屋ですよ。格闘技はただの護身術です」

「なんで騎士に？」

「単純にかっこよかったからです」

「へぇ」

いつの間にか自分の詮索をされているようで気に入らなかったAはオビを一度睨んで再び薬草抜きに徹した。