隣の家の坂本さん-彼と私の30日-

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『勇人さんお風呂入るー？』

「いや、A先に入ってええよ、」

『勇人さん明日から試合やん、先入った方がええやろ』

「たまにはAから入り、」

『けど、』

「ええから、ほらほら、」





帰ってきてお風呂の準備、準備ができたので勇人さんを呼ぶと先に入りと背中を押された。





『…じゃあ、』





ありがとう、と言って素直に先に入る。てつならいつも遠慮もせずにあたしの家のお風呂を先に使うから、勇人さんは大人やな、なんて。



今日早速見つけた入浴剤を入れるとすごく落ち着いたいい匂いがした。





『……なんや、あたし』





結局あたしのそばにはいつもてつがいた。子どものときだって、大人になった今だって。てつにはなんやかんや助けられている。





「A？」

『え？あ、なに！？』

「ごめん、脅かしたな、」

『ど、どうしたん？』

「いや、ちょっとコンビニ行ってくる」

『なんか買ってくるん？あたし行こうか、』

「いや、大丈夫、すぐ帰ってくるから」

『わかった、』

「行ってきます」

『気をつけてな』

「おん、ありがとう」





扉の向こうから突然声をかけられたかと思えばこんな話。勇人さんみたいなスター選手でもコンビニ行くんやな。




『……、』





なんだか、最近はてつか勇人さんのことしか考えていない。変なの。



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