隣の家の坂本さん-彼と私の30日-

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『………！』





携帯の音で目が覚めた。いつもと違う雰囲気に慌てて目覚ましを止めた。



しん……としばらく静かなままで胸をなでおろす。ここは自分の部屋ではなく隣の坂本さんの部屋。





『…おはようございます、』





いつもと違う空間にそう挨拶をし、まだ寝ているであろう坂本さんにも言葉をかけた。





『…よし、』





今日も普通に仕事だ。いつも通り起きてご飯作って…と思ったけど、





『……勇人さんち何もない…、』





キッチンに行ってみるも、勝手に冷蔵庫開けてみるも、何もない。てつと家はもう少し…と考えてみたけどそういえばてつの家も確か何もなかった。





『…勝手に持ってくる？』





それが一番いい、勇人さんちの電気代はかかるがそれはあたしが勇人さんに払えばなんてことはない、



とりあえず使うものだけ自分の部屋へ取りに行って、食材も持ってきて料理を始めた。





−仕事に行ってきます。良ければどうぞ。−





と書置きをして自分の会社へ向かう。勇人さん、人の手作りご飯とか食べるのかな？なんて、会社までの電車の中で考えてみたりした。



明日は休み、勇人さんちに居候させてもらうなら、それなりに決めなきゃいけないこともある。



帰ったら相談しよう。



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