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『あれ?』
「ん?」
『マンションの前騒がしいですね』
「ほんまや、どうしたんやろ」
ありがとうございました、とタクシーの精算をしてくれた勇人さんにお礼を言ってマンションの前で立ち止まる。大家さんを見つけて話をかけた。
「あ、Aちゃん!坂本くんも!」
『どうかしたんですか?』
「それが…水道が壊れたみたいで」
『え、大変ですね」
「実は…Aちゃんの部屋の、上の階の人なの」
『え?』
「…Aちゃんの部屋、…水漏れしてるかも」
『!』
「とりあえず、部屋確認してもらえる?」
『は、はいっ』
「坂本くんも、一応…」
「あ、はい」
急いで部屋へ向かって中を確認する。開けた瞬間の湿気でこれはまずいと確信する。
『…、』
あちらこちらで水が天井から落ちて来ている。そして壁紙は水で剥がれかけているところもあり。その壁から伝った水が床に溜まっていた。
「…Aちゃん、どう?」
『……勇人さん、』
「入って、ええ?」
『……はい、』
「…うわ…、」
『、勇人さんの部屋は…』
「俺は、大丈夫」
『生活できなくはないですけどね…』
不便だよなあ、と小さく呟いた。きっと部屋の修理も入るだろうし、あたしはきっとここを出ざるを得ない。
「困ったわ…部屋はもう空いてないし…でも修理に1ヶ月はかかるみたいなの…」
『…ですよね』
「どこか…宛てはある?」
『……まあ、幼馴染の家が…』
てつに相談しよう。きっと嫌がらずにおいでって言ってくれると思うし。
「なあ、」
『はい?』
「俺んち、来る?」
『……は、?』
「さ、坂本くん?」
「俺んちなら、わざわざ大荷物遠くまで運ばんくてええし。俺も月の半分は居らんしな、」
『えーと……、はい?』
「それ、いい案かも」
「ですよね、」
『え、ちょ、でも…』
「Aちゃんが良ければ、やけどな」
勇人さん、酔っ払ってますか?大家さんもいいかもって、あれ?なにこの雰囲気、断れなくないですか?
『えと……じゃあ、……よろしくお願いします…』
「おん、」
「良かったわね!Aちゃん!」
『…は、はいっ』
勇人さんは何だか笑顔。大家さんもとっても笑顔。えらいことになってしまった、
あたしと勇人さんの、1ヶ月間の同居が始まった。
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いちか(プロフ) - 萌華さん» ありがとうございます!もう、なんて言うか、救われます…( ; ; )なるべくたくさん更新出来るように頑張ります★ありがとうございました! (2017年9月14日 23時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
萌華(プロフ) - 毎回読んでます!もぅ、読んでてとってもわくわくします!少しずつの更新で全然大丈夫ですよ!これからもよろしくです!ダンス頑張ってください!!(*´ω`*) (2017年9月13日 6時) (レス) id: 86de0844a9 (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - り。さん» ありがとうございます!もっと楽しんでもらえるように頑張ります! (2017年8月22日 23時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
り。 - 毎日更新が楽しみでなりません!お忙しいとは思いますが、頑張ってください。 (2017年8月22日 21時) (レス) id: 858963fabe (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - みずきさん» ありがとうございます!なるべく早く更新できるように頑張ります(^o^) (2017年8月15日 21時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちか | 作成日時:2017年8月14日 13時