隣の家の坂本さん-彼と私の30日-

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『あ、』

「あ、ども」

『おはようございます、お仕事ですか？』

「…まあ、はい」





隣に引っ越して来た坂本さん。背が高くてイケメンで高級車に乗っていて、でも何やっているかイマイチわかんない人。

わたしも坂本なので、名字一緒だね。





『頑張ってください』

「…ありがとうございます」





だっていつも格好はラフだし、何日間か家空けるときだってあるし、不定期だし、土日は大抵朝早いし。





『あ、三浦さんおはようございます』

「Aちゃんおはよう！」

『今日は暑くなりそうですねー』

「AちゃんAちゃん、彼とは話しした？」

『は、彼？』

「Aちゃんちの隣に引っ越して来た彼！」

『あー坂本さんでしたよね、まだあんまり』

「イケメンよねー」

『まあ、ですね』

「野球選手なのよー」

『は、』

「え？知らなかった？」

『すいません、全然知らないです』

「あら！坂本勇人くん！巨人で有名じゃない！」

『え、』

「Aちゃんごめんね！時間ないんだった！またね！」

『あ、え、はいっ、また！』





駆け足で去っていく下の階に住む三浦さんの背中を見送ってただ呆然と立ち尽くす。





「坂本さんおはようございます」

『あ、畠山さんおはようございます』





巨人って、読売巨人軍？



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