たくさんの愛に包まれて ２

お別れですか？ ページ31

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−勇人はまだAちゃんのこと好きなんやで？−

−それでも、長野を選ぶ？−





『っ』





亀井さんの言葉に、声が詰まった。

ヒサを選ぶと決めたのに、即答できなかった。





「…」

『あたし、っ』

「ちょっと長さん！」

『、！』

「！」





突然近くで勇人の声が聞こえた。

長さん、というのはヒサのこと、

慌てて声のする方へ小走りで見に行くと

そこにはその場を去ろうとするヒサと、その背中を見ている勇人





『っひさ、！』





勇人を通り越してすかさずヒサを追いかけた、

すぐに追いついてヒサの腕を掴む





『ヒサ…』

「…、」

『ヒサってば、』

「、」

『ねえっ』

「…勇人のこと、まだ好きなんだろ？」

『っひさ』

「勇人もまだAが好き、」

「…」

「なら…俺の居る意味無くね、？」

『っ！』

「勇人を忘れさせる意味ないだろ？」

『、ヒサっ』

「それでいいじゃん、」





すっ、と腕を掴んでいた手を解かれた。

それは、なぜか痛いほど寂しかった、





「ね、俺のことは気にしなくていいから」





仲良くしなよ、と笑ったヒサは、

いつもの笑顔だった



それがあたしにとっては

あまりにも残酷だった、





「勇人と、幸せにね」

「、長さん！」

「じゃあ、先に戻るから」

『…』





何も言えなかった

何も言わせてくれなかった





『っ』





涙も出なかった、

ヒサの背中を見送ることしかできなかった、





「…、」





ねえ、

ヒサはそれでいいの？



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