たくさんの愛に包まれて２ (ページ23)

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自業自得な現実ページ23

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「なあ勇人、」

「なんすか？」

「…お前はこれでええの？」

今日は亀井さんと２人で飲みに来ていた。

来ていたというよりかは、亀井さんが気を遣ってくれたというか、励ましてくれているというか。

「…なにがすか？」

「Aちゃんのこと」

「…」

「このままでええのかってこと、」

「いいもなにも…Aは長さん選んだんやし」

Aは長さんと付き合った、

ただそれだけのこと。

手放したのは俺の方やから自業自得ってやつやな。

「素直やないな…まだ好きなくせに」

「…」

「忘れてへんくせに」

「…っ」

「昨日も今日もずっとスタンドで姿探してたくせに」

「はは、亀井さんには何でもお見通しっすか」

「せやで、亀井様やから」

忘れたことなんて一度もない、

A以上に好きなれる奴なんておらん、

何人か付き合ったけど、お遊び程度ですぐに別れた。

Aがどれだけ最高な女やったか、ただただ実感しただけやった。

「…俺は、Aが一番っす…」

「なんやろ？」

「でも…もう俺は、Aを幸せにできたりせえへん…」

「あんな、勇人」

「…はい、」

「幸せかどうかは、お前が決めることやあらへんやろ」

「……」

「お前がAちゃんのこと好きで居て、Aちゃんのために一生懸命野球頑張る、Aちゃんはそれだけで幸せなんやないの？」

「…亀井さん」

「Aちゃんも、まだ勇人のこと忘れてへんと思うけどな、」

ほんまに、ほんまにそうなん？

「ほら、勇人」

「？」

「電話、してみ」

「は、」

「Aちゃんに、電話してみ」

「いや…多分あいつ出てくれへんと思います」

「いいから、」

ダメ元でいいから、と亀井さんは少し笑っていた。

そうか、そのくらい軽い気持ちで、どうせ出ないやろくらいの勢いで電話したらええ。

でも

『…もしもし、』

もし出たら、俺はどうしたらええんやろ？

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