たくさんの愛に包まれて ２

まだ好きなんだろ？ ページ19

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「おはようございます」

「おお、おはよ」





Aの家からタクシーで帰り、

朝帰りを寮長にこってり叱られてからまた東京ドームへ行くために寮を出た。





「亀井さん、昨日はすみませんでした」

「ええよ、気にせんで。Aちゃんは見つかった？」

「はい、大丈夫です」

「…なあ、長野」

「はい？」

「お前…Aちゃんはやめとけ、」

「…は、」

「俺は、悪いけど応援できない」

「何でっすか…勇人の元カノだから？」

「そう、」

「…だって、フったのは勇人の方っすよね？」

「あいつはAちゃんのこと忘れてない」

「でも…好きな人出来たって、」

「それは、嘘」





Aちゃんについた嘘、

そう言った亀井さんの顔はマジだった。





「だから勇人は…」

「亀さん、！！」

「…あ、」

「っ何言ってんすか、！」

「…」

「あいつは…っ知られたくないって言ってたんすよ、！」

「…だって勇人はいいのかよこれで」

「…しょうがない、です」

「何で、」

「自分で、決めたことだから」

「俺、Aと付き合いましたから」

「！！」

「……」

「昨日、俺から、」





−勇人のこと、好きでいいから−





「ゆっくりでいい、勇人のこと忘れさせてあげたい」

「…それで、いいんですよ」





その方がAは幸せやと思う、

そう言った勇人の顔はすごく寂しそうだった。



勇人もまだ、好きなんだろ？





「俺やったら間違いなく長さん選ぶわ、こんなええ人居らんし」

「はは、さんきゅ」





勇人はほんとに、それでいいの？



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