たくさんの愛に包まれて ２

失いたくない ページ12

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「不自然やぞ、A」

『！』





外で涼しんでいると、

突然後ろから声をかけられて肩を震わせた。



振り向かなくたって、声でわかる。





『…はやと、』

「俺とは一切目合わせへんし、合ったと思ったら余計なこと言うなって目やし」

『…、』

「言っとっけど、長さんそういうの鋭いからな」

『……それでも勇人とのことは知られたくない』

「、何で」

『何でも』

「……あっそ、」





どすん、と隣に座った。

こんな風に横に座っていると昔を思い出す。





「亀井さんのこと好きなのは、変わんないんやな」

『当たり前じゃん、』

「…、なあ」

『なに、』

「……長さんに、昔付き合ってたって言ってもええ？」

『っ何で、』

「俺、長さんにはほんまに良くしてもらってて…何でも話したいって言うか」

『……』

「知っててほしい、」

『…嫌だ、って言ったら？』

「…Aが嫌なら…言わへんわ」

『……長野さんには、知られたくない』

「なんで？」

『…なんでだろ、』





嫌われたくない、から。





「…、っそ」

『…長野さん…好きって言ってくれてる。だからあたしも…好きになろうって、…長野さんと一緒にいると、楽しいから』

「……」

『だから…今の生活失いたくない』





もうかれこれ一年以上が経った。

長野さんにはたくさんたくさん感動をもらって

２人でいるのはすごく楽しかった。





『、長野さん失いたくない』

「……」





もう

あんな思いはしたくない



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