たくさんの愛に包まれて

いってらっしゃい ページ49

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「行ってきます」

『行ってらっしゃい、』





長野さんが宮崎へと旅立とうとしている。もう２月

は目の前だ。

飛行機で宮崎に飛び立つ前に電話で連絡してきた長野さん。





『行きますね、宮崎』

「は、え？来るの？」

『行きますよー、いつ行くかは内緒だけど』

「内緒って、」

『ふふ、シークレット遠征です』

「絶対見つけるから、」





ああ、長野さんは本気だ。

きっと内緒で行っても、この人はあたしのこと見つけてくれるだろう。





『はは、嘘です、第３クールで行きます』

「ん、じゃあ来たら連絡ちょうだいね」

『はい、そうします』

「連絡していい？宮崎行っても」

『もちろんです、待ってますよ』

「良かった」

『怪我だけは気をつけて、頑張ってください』

「うん、ありがとう」

『長野さん、』

「ん？」

『大丈夫ですよ』

「え？」

『長野さんなら、大丈夫だから』





長野さんならきっと

いや

長野さんなら、絶対





『いつもの長野さんで、堂々としてれば大丈夫です』

「うん」

『絶対、活躍できるから』

「不思議、」

『え？』

「Aの言葉って、勇気でる」

『ふふ、そうかな？』

「ちょっとだけ、不安だった」

『…うん、』

「頑張るよ、」

『はい、頑張ってください』




ジャイアンツ長野久義の、野球人生が始まろうとしている。







(( to be continued ))



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