たくさんの愛に包まれて

爽やかなあなた ページ3

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『あ…』

「…ん？」

『もしかして…Hondaの…』

「え？」

『長野選手！』

「…知ってるんすか？」

『もちろん！』





ウインドブレーカーにはHondaって書いてあるから間違いない。

この人は何度も調べたことのある長野久義選手だ。





『こう見えて、野球好きなんです』

「社会人野球も？」

『もちろん！プロも高校野球も！長野選手のこと、何度も調べました！』

「へえ、嬉しいです」

『わたしも、お会いできて嬉しいです』





ついてない日、なんて嘘。

こんな人に出会えるなんて

あたしにとっては奇跡。





「…見に来てくださいよ」

『え？』

「昼から神宮でオープン戦だし、良ければ」

『じゃあ…お言葉に甘えて！あとで行きます！』





野球見れるなんて、嬉しいな。

嬉しくてつい大きい声出しちゃった。





「あの、」

『…？』

「名前とか、聞いてもいいですか…？」

『あっ、すみません、新田Aです』

「Aさん、ね」

『歳は長野選手より４つ下ですよ』

「え、じゃあAちゃんだ、学生？」

『そうです、』

「また、会える？」

『え、』

「あ、ナンパじゃないよ」

『えっと…会えるなら、是非！』

「よし、じゃあ約束ね」

『っはい』

「また、ね」

『頑張ってください！』





ひらひらと手を振って、白い歯を見せながら爽やかに去って行く長野選手は素敵な人だった。



これが、あなたとの出会い。



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