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−幸い、大きな外傷はなかったんです−

−…そう、ですか−





医者から詳しい話を聞いて、またAの病室に戻った。病室には時計の音が鳴り響いていて、なんだかとっても時間が流れるのが遅い気がする。





「…A、早よ目覚まして…」





あの笑顔で、ハルくんって呼んで。お疲れさまって笑ってよ。Aの左手を取り、ぎゅっと手を握った。早く起きて、と願いながら。





「西川さん、」

「あ、はい」





コンコン、と扉が叩かれて、入ってきたのは看護師さん。申し訳なさそうに俺に訪ねてきたのは、Aの、家族のことだった。





「Aさんの、ご両親に連絡しようと思ったのですが…まずは旦那さんからの方がいいと思いまして…」

「…」





−もう、縁を切るから−





きっとAなら、言わないでって言う。目が覚めた時に両親に知られているって知ったら、きっとAは絶望感に包まれる。





「…Aのご両親には…絶対伝えないでください」

「…でも、」

「本人なら、そう望むので」

「…わかりました、」





失礼します、と部屋を出て行った看護師さん。時計を見ると、もう18時が回りそうだった。ああ、そろそろ試合が始まる。





「…A、」





少し部屋の換気をしよう。Aの左手をそっと置こうとしたら、手が滑ってAの手をベッドに勢いよく落ちてしまった。





「…あ、っ」





左手の薬指から、ちゃりん、と音を鳴らして、指輪が落ちたのだ。





「っ…」





何もない、と信じたかった。



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いちか(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます★楽しんで頂けて嬉しいです◯Twitterも是非よろしくお願いします★休みながら頑張りますね! (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます★とってもとっても嬉しいお言葉ありがとうございます!!もう少しだけこの作品も続きますので引き続きよろしくお願いします★ (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - 毎回楽しく読んでました。とっても素敵なお話しでした。次のお話しを読む事ができるのを楽しみにしてます。Twitterもフォローさせて頂きます。ちょっとはゆっくり休んでくださいね (2019年8月24日 20時) (レス) id: f90c817e3e (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - いちかさん、本編終了おめでとうございます(^^)最後まで素敵なお話でした。本当にいちかさんのお話大好きです!番外編やまた次のお話、とっても楽しみにしています。また素敵なお話を読めるなんて嬉しいです☆これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月24日 8時) (レス) id: a0401679ea (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます◯更新頑張ります!またよろしくお願いします★ (2019年7月30日 20時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちか | 作成日時:2019年7月15日 13時

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