37 ページ37
.
ベランダで涼んでいると、部屋のドアが叩かれた。返事をすると、もちろん扉をあけてきたのはAで。
「おいで、」
『う、うん、』
部屋着のAなんて見慣れてるはずなのに、何故かとっても可愛く見えて。ベランダに呼ぶと、ちょこちょこと俺の横に来た。
『あ…ハルくん、』たばこ
「ああ、ごめん、黙ってたわけやないんやけど」
『気づかなかった、匂いしなかったし、』
「そう?」
『うん、』
「吸う?」
『あ、や、あたしは…』
「はは、そうやんな、ごめん」
『実は、数年前に禁煙して、』
「え?吸ってたん?」
『うん、喫煙者でした、』
「ほんまか、意外」
『なんか、突然苦いと思って辞めた』
「へえ、そっか」
『ハルくんも辞めた方がいいよ』
「俺はまだ無理やな、」
『はは、そうだよね』
無理に辞めなくていい、と笑いながら、空を見上げるAの横顔がとっても綺麗だと思った。その大きな目には今、何が映ってるんやろ、北海道の綺麗な星空が、映っているだろうか。
『っ!』
そんなAに触れるだけのキス。タバコの味したかな。少し苦そうに顔を歪ませた。
「なあ、そろそろ触れていい?」
『っ、』
「そんな顔赤くしたらもっと抑えきれんくなる」
タバコを片手にAの頬を触ると、潤んだ目で俺を見上げた。ああ、それって、もう俺に襲ってくださいって言ってるようなもんやで?
「っ」
まだ吸えそうなタバコの火を消して、Aを部屋の中へ引っ張る。窓を閉めて、Aをベッドへ寝かせた。
『っハルくん』
「怖かったら、無理やって思ったら殴って」
『な、殴るって…』
「はは、嘘、無理やと思ったら遠慮なく言って?無理やりはしたくない」
『…』
「ね、ちゃんと言って」
『…大丈夫、』
「え?」
『ハルくんのこと好きだもん、大丈夫』
「!」
『だからその…優しく、お願いします』
優しくなんて、そんなんA次第やと思います。
.
682人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちか(プロフ) - 菜々さん» ありがとうございます★楽しんで頂けて嬉しいです◯Twitterも是非よろしくお願いします★休みながら頑張りますね! (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - 花音さん» ありがとうございます★とってもとっても嬉しいお言葉ありがとうございます!!もう少しだけこの作品も続きますので引き続きよろしくお願いします★ (2019年8月25日 0時) (レス) id: 659890526f (このIDを非表示/違反報告)
菜々 - 毎回楽しく読んでました。とっても素敵なお話しでした。次のお話しを読む事ができるのを楽しみにしてます。Twitterもフォローさせて頂きます。ちょっとはゆっくり休んでくださいね (2019年8月24日 20時) (レス) id: f90c817e3e (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - いちかさん、本編終了おめでとうございます(^^)最後まで素敵なお話でした。本当にいちかさんのお話大好きです!番外編やまた次のお話、とっても楽しみにしています。また素敵なお話を読めるなんて嬉しいです☆これからも頑張ってください。応援しています。 (2019年8月24日 8時) (レス) id: a0401679ea (このIDを非表示/違反報告)
いちか(プロフ) - はるちゅんさん» ありがとうございます◯更新頑張ります!またよろしくお願いします★ (2019年7月30日 20時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちか | 作成日時:2019年7月15日 13時