薬指の秘め事

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「これからは、一緒に住むことになるけど大丈夫？」

『大丈夫』

「あと、A仕事は？」

『飲食店、』

「出来れば、俺的には家に居てほしいんやけど、忙しいと掃除とかも出来ひんし、やって貰えると助かる」

『うん、バイトだからすぐ辞めれる』

「辞めて大丈夫？」

『でも…ハルくんに養ってもらうことになる、』

「俺はそのつもりやけど」

『…気が引ける…』

「なんでやねん、結婚するんやからええやろ」

『…そうだね』

「Aの両親にも報告せなな、」

『…え、』

「もちろんやろ、俺とAが良くても、やっぱご両親反対したらダメやん、」

『……えっと…、』





出来れば両親には会って欲しくない。いや、会わせたくないと言うのが正しいだろうか。





『あの…あたしの両親…放任主義というか、…あたしのこと嫌いで』

「、え？」

『あたしを産んだ母は、あたしが５歳の時に死にました、それで…父親が再婚して、連れ子として…血の繋がりのない母親の元で育ったの…』

「…」

『母からはだいぶ嫌われてて…高校卒業してから、一切会ってない』

「…そう、なん、」

『だから…できれば、ハルくんと会ってほしくないし…契約結婚、って言うことも話したくない』

「…Aは、それで、いいん？」

『…うん、もう、縁を切るから』

「そっか…わかった、Aがええならそれでええ、俺も反対しないし、無理に話そうとも思わない」

『ありがとう、』





いいんだ、それで。もし結婚できるとしたら、あたしはそのまま縁を切るつもりでいたのだから。





「俺は、もう両親には、そういう相手が見つかったらって話てある」

『へ、』

「俺がいいなら何も言わないって言ってくれてるから特に挨拶とかはない」

『そうなんだ…』

「もしシーズン中に会いに行けたら行く予定、その時はAにも来てほしい」

『わ、わかった…！』

「あとはちゃんと話しておきたい人いる？」

『あ、えと…妹、』

「妹おるん？」

『うん、腹違いになるんだけど、８つ下の…妹だけは、あたしのこと慕ってくれたから』

「おん、わかった」

『ハルくんは、誰かに話す？』

「俺は…卓さん、」

『たく、さん？』

「おん、中島卓也って、俺のチームメイトで先輩おるんやけど、卓さんにはちゃんと話しておきたくて」

『うん、わかった』

「Aにも、会ってほしい人」

『え』



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