まことの恋

9 ページ9

ｰ慎side

壱馬「で、なんかあった？」

慎「…え？」



壱馬さんにそう聞かれたのは、店に入って注文を終えてから。



壱馬「最近なんか変やで。
この間メンバーでご飯行ったときから。」

慎「…。」

壱馬「俺で良かったら話聞くで？」

慎「…実はあの日、俺知り合いの人に会って。
その人、友達のお姉さんで、その…、俺の初恋の人って言うか、今でも好きな人なんですけど。」

壱馬「うん。」

慎「俺の家で飲み直すことになって、その…、しちゃって。」

壱馬「…何を？」

慎「えっと、その…、察してください。」

壱馬「あ、ごめん。で？」

慎「…次の日起きたら、もういなくて。
メモに“ごめん”って書かれてて…。」

壱馬「えーっと…、慎はその人のこと好きやねんな？」

慎「はい。」

壱馬「ちゃんと好きって言うた？」

慎「言いました。
…流石に好きとか言わずに抱いたりしません。」

壱馬「…まぁ、そうやんな。
ほんで、その人からは返事もらったん？」



俺は首を横に振った。

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す