まことの恋

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ｰAside

慎くんの家はお洒落なマンションだった。



慎「どうぞ。」

A「お邪魔します…。」

慎「そこら辺座っててください。」



部屋の中は綺麗に片付けられ、落ち着いた雰囲気でまとめられていた。



A「部屋、お洒落だね。」

慎「そうですか？」



そう言いながら彼が私と自分の前にグラスを置く。

そこにビールを注ぎながら、慎くんが私を見た。



慎「Aさん、本当に久し振り。
…10年振りくらい？」

A「そうだね、私が大学入った年以来かな。」

慎「そのとき、Aさんの家族も引っ越しちゃいましたもんね。」

A「うん。」

慎「今何してるんでしたっけ？」

A「弁護士。」

慎「マジ？
Aさん、昔から頭良かったもんなぁ。」

A「そうでも無いよ。」

慎「そうでもありますよ。
だって、昔勉強見てくれてたじゃないですか。」

A「慎くんが小学生のときね。」

慎「まぁ、そうですけど。」



けらけらと慎くんが笑う。



A「…変わらないね。」

慎「え？」

A「慎くん。
あの頃と、あんまり変わってない。」

慎「…それ、俺が子供っぽいってことですか？」

A「違うよ、そういうことじゃなくて。
…なんか、安心するなって。」

慎「…ならいいですけど。」



慎くんは肩を竦めてグラスを呷った。

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