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…
それから。
朝ごはん作って、出掛ける準備してたら、食べ終わった健人がキッチンまで片付けに来てて。
「健人、いいよ私が片付けるから。」
「…そんな心配そうな顔しないの。」
だって。
昨夜のあんな姿見たら、心配するよ。
「薬飲むから。」
「…薬飲んで、熱が下がっても無理に起きたりしないでね。」
「Aの心配するようなことはしないよ。」
洗いもの片付けて、健人の脱ぎっぱなしになってるジャケットに気がついてハンガーにかけたとき。ポケットに名刺が入ってるのが見えた。
「健人、ジャケットに名刺が入ってるみたいだけど。」
「ん…、あっ…。いいよ、それそのままにしといて。」
珍しく慌ててる。
「分かった。クローゼットに入れとくね。」
「ありがと。」
ごめん、健人。つい、その名刺に手が伸びてしまったの。
コラボ企画の取引先の社名。
名前は、“倉岡ありさ”。裏に書かれたID。
担当、女の人、なんだ。名刺入れに入れ忘れたのかな。
健人疲れてたんだな。
時計を見ると、もう部屋をでないといけない時間。
「健人、行ってきます…あ、忘れ物。」
大人しくベッドに横になってる彼に、マスクはずして軽くキスした。
「…A?」
不意打ちが得意な健人が、私の不意打ちにあたふたしてる。
思わず、
「かわいい。」
って声に出したら。健人、耳まで赤くして、背中向けちゃうの。
「じゃあね、行ってきます。」
「…行ってらっしゃい。」
玄関に付いたとき、優しい声が聞こえた。
ちょっと眠いけど、今日も一日頑張ろう。
会社に着くと早速聖子と風磨くんに、
「昨日の服着てる、なんて言いたくなかったけど。」
「やっぱり言っちゃうよね。」
って言われて。
「お見舞いに行って泊まっただけだもん。」
「生々しいよね、泊まっただけとか。」
「まぁまぁ聖子ちゃん。で、中島どうなの?」
「昨日よりは熱下がってきたんだけどまだあって。今日は休むって。」
「今日は定時で帰んなよ。風磨くんがあとはやってくれるから。」
優しいんだ、二人とも。
でも、そのときふと思い出しちゃったの。
『気になるかもしれない話。』
夏希ちゃん結構いろんなこと知ってるから、ちょっと胸がざわつくというか。
足立さんの、ことなのかな。でもそれなら耳にしたから、なんて言わないよね。
名刺。
倉岡、ありささん。
なんか、嫌な予感がした。
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みち(プロフ) - Blauさん» コメントありがとうございます。やっと、二人が会うきっかけができました。傷つくのって、本当に怖いものですよね。 (2017年12月7日 8時) (
レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - あこさん» コメントありがとうございます！健人くん側の出来事を知らない主人公の動揺を書きました。これからもよろしくお願いします。 (2017年12月6日 8時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
Blau(プロフ) - 好きだからこそ傷付くのが怖いですね…早く二人がちゃんと本当のこと話せますように（ ; ; ）今日も更新ありがとうございます！癒しです！ (2017年12月5日 20時) (レス) id: 32a363d169 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 続きが気になる！楽しみに待ちますね！ (2017年12月5日 15時) (レス) id: b6d97b5401 (このIDを非表示/違反報告)
みち(プロフ) - やすゆきさん» コメントありがとうございます！書きためていたところにたどり着いたので怒濤の更新させていただきました(笑)どうぞ、よろしくお願いします。 (2017年12月4日 16時) (レス) id: 85310a9d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みち
| 作成日時：2017年10月28日 19時
